富士通は7月12日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づくシステム構築サービスの新体系を発表した。新体系下のサービスを7月以降、展開していく。
今回発表された体系は、(1)ユーザー企業の業務改革や投資分析を行う「ビジネスコンサルティング」、(2)情報システムをSOA化させるための「サービスインテグレーション」、(3)「実行基盤」から構成される。
(1)のビジネスコンサルティングは、SOAを導入する前に業務プロセスを分析・評価して改善点を見つける「業務改革コンサルティング」と、改革された業務プロセスに情報システム投資が最適かどうかを分析・評価する「投資効果分析コンサルティング」に分かれる。これらのサービスは既に提供中。
(2)のサービスインテグレーションは「各業種向けSOA開発ソリューション」と「パッケージSOA」からなる。各業種向けはさらに、通信や電力、ガスなどを対象にした「社会基盤向けSOA開発ソリューション」と、製造業や流通業に向けた「産業流通向けSOA開発ソリューション(Valuevision)」の2種類に分けられる。
通信会社や電力会社などの現在の業務システムはメインフレームを中心に超大規模なレガシーシステムで運用されている。それらの肥大化・複雑化したシステムを再構築するために、社会基盤向けは、業務データモデルに基づいてマイグレーション(システム移行)していく。産業流通向けは、中・大規模システムに適しており、業務の可視化や業務プロセス改善に注目した業務モデリングでシステムを構築する。
社会基盤向けと産業流通向けはともに、7〜9月頃に提供予定。開発支援サービス「SDAS/Service Modeling」(10〜12月頃に提供予定)もあわせて提供される。
パッケージSOAは中堅企業を対象に、「GLOVIA」や「WebServeスマートソリューション」などの複数のパッケージで提供される。GLOVIAとWebServeは06年1〜3月に提供開始予定。サービス連携のためのサービスバスを中心に、金融、医療、自治体などに各業種・業務を対象にしたパッケージを順次、提供していく。
(3)の実行基盤では、現在運用されている業務システムをSOA化する際の基盤となるミドルウェア「Interstage V7」を10〜12月頃に提供開始。Interstage V7を導入すると、同じ商品でも部門間、事業所間で異なる商品コードを段階的に統一していくなど、散在するデータを統合化できる。また、SOA化されたシステムのサービスバスを流れる情報を自動的に収集することで、業務プロセスを監理・監視することも可能にする。