Sun Microsystemsが、LinuxにJava Runtime Environment(JRE)をバンドルしやすくするため、Javaのライセンス体系を変更する計画を進めている。
同社は5月中旬に開催されるJavaOne Conferenceで、この新しいライセンス体系のほか、オープンソース化の新しい取り組みについて発表する予定であることが、米国時間5月4日に実施されたSun幹部との電話会議で明らかになった。
JavaプラットフォームグループのバイスプレジデントLarie Tolson氏によると、同グループではLinuxやOpenSolarisなどのオープンソースOS上での使いやすさを考え、Javaのライセンス体系を見直したという。Sunは、ソフトウェア企業にJavaをライセンス提供している。
Tolson氏によれば、ライセンス体系が見直されたのはJREだという。JREは、JavaアプリケーションをPC上で実行するために必要なソフトウェアコンポーネント。通常、JREはOSに含まれていないため、別途ダウンロードする必要がある。
「見直しの目的は、ディトリビューターや開発者がOS上の実行環境に関われるようにすることだ」(Tolson氏)
サービス指向アーキテクチャ(SOA)やプラットフォームインテグレーションのマーケティングを担当するバイスプレジデントのJoe Keller氏は、今回の変更について「JRE込みの環境作りだ」と述べた。
Sunにはこれまでにも、Javaをオープンソース化するべきだという要望が寄せられてきていた。こうした考えを支持する人々によれば、Javaをオープンソース化すれば、オープンソースの世界で画期的な開発が行われやすくなるという。
SunはすべてのJava関連ソフトウェアをオープンソース化させるという考えに抵抗していたが、Java製品の開発プロセスを大幅に見直し、ライセンス体系を変更することで、Javaのソースコードを容易に参照できるようにした。
JavaOne 2006では、Java Enterprise Systemの一部がオープンソース化され、公開されるだろうと、Java開発およびプラットフォームエンジニアリングを担当するバイスプレジデントのJeff Jackson氏は述べている。同社は2005年、Java Enterprise Systemに対してユーザーが無料でアクセスできるようにすると発表していた。Jackson氏によると、同社は「すべてを対象に検討している」という。
JavaOneでは、このほかにもJava Platform, Enterprise Edition 5(Java EE 5)に関する発表も行われる。同社では、Java EE 5のSoftware Development Kit(SDK)を発表する予定だと同社の幹部らは説明した。Java EE 5は、Javaサーバ向け標準仕様の最新版で、4月末に承認されている。Java EE 5は、Javaサーバアプリケーション用プログラムをより簡単に記述できるように設計されている。
Sunの幹部らによれば、Java EE 5には、オープンソースの開発プロセスを取り入れたいというSunの思いが取り入れられたという。Java EE 5は、SunとOracleが共同運営する委員会で検討が重ねられてきていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ