Sun Microsystemsは米国時間30日、同社のJavaサーバスイートおよび「N1」管理ソフトウェアに対する無料アクセスを提供し、「Solaris」オペレーティングシステム(OS)にこれらをバンドルする予定であることを発表した。
無償で提供されるのは、「Java Enterprise System」サーバミドルウェアセット、Java開発ツール、N1管理ソフトウェアで、これらのサポートは有料とするとSunは述べている。
同社社長Jonathan Schwartzは電話会談で、「無料であるということは、製品を入手する際の障壁が最も低いということだ。(中略)当社は、障壁を下げて利益を上げる道を選択した」と話した。「何よりもまず、利用者の裾野を広げることを目指している。顧客層の拡大から利益を得ていくための適切なサービスについては、その後検討する」(Schwartz)
今回の取り組みでは、諸製品が「Solaris Enterprise System」と呼ばれる単一のパッケージとしてまとめられる。パッケージには、SunのOSであるSolaris 10や「PostgreSQL」オープンソースデータベース、「Java Enterprise System」サーバソフトウェアおよびツール、SunのN1ブランドのプロビジョニングおよび管理ツール、「Secure Desktop」ソフトウェアなどが含まれる予定だ。
Sunは戦略の刷新を通して、サービスベースソフトウェア事業体へ生まれ変わろうとしているが、これが大きな財政的成功を収めるかどうかはわからないと、IlluminataのアナリストJonathan Euniceは指摘している。「Sunが現在の収入基盤を製品からサービスへ転換できるであろうことに関しては、疑いを抱いていない。だが、市場シェアや利益、売上の大幅な向上が見込めるか否かは疑問だ」(Eunice)
Euniceは、競合企業のIBMやMicrosoftとは異なり、Sunのソフトウェア部門はいまだにビジネスパートナーを確保していないと話す。他のソフトウェア企業や再販企業と提携を結べば、同社のパッケージにより多くの製品が追加されることになる。
Sunは、IBM、Microsoft、BEA Systems、Oracleの製品や、オープンソース製品「JBoss」などが優勢なインフラストラクチャソフトウェア分野では、部外者といってよい存在だ。同社はここ数年にわたり、大胆な価格体系を設定し、NetDynamicsやCenterRun、Pixo、直近ではSeeBeyondといった企業を買収することで、ソフトウェア事業の活性化を図ってきた。