システムの総所有コスト(TCO)削減などの要請に伴い、今後のエンタープライズ向けシステム開発の重要な手法として期待されるサービス指向アーキテクチャ(SOA)。5月16日より米国サンフランシスコにて開催された「2006 JavaOne Conference」でも、このキーワードを中心としたテクノロジセッションや展示が行われていた。JavaOneのセッションや展示会場を通じて、各ベンダーのSOA対応製品およびJava関連技術の利用状況について探った。
世界60数カ国から1万4000人もの参加者を集めた2006 JavaOneの展示会会場
Javaは当初、Sun MicrosystemsのフェローであるJames Gosling氏らが、コンピュータネットワーク社会で使うことを考慮して、組み込み機器向けに開発していた言語が進化して生まれたものである。元々ゲーム機をはじめとする情報家電や携帯端末などで普及してきたが、その後栄枯盛衰を経て、エンタープライズ領域でウェブアプリケーションを動かす重要なプラットフォームとしての位置づけを得ることとなった。
現在、Javaの利用は新たな局面を迎えており、その取組みはエンタープライズ向け、特にSOAの実現に向けて大きな注目を集めている。
SOAは、企業内にあるさまざまな既存システムをそれぞれ汎用のサービス単位として捉え、ビジネスの変化に合わせて短期間でシステムを再構築するものである。英調査会社Butler Groupの調査結果によると、SOAを導入した場合、1から新しくシステムを立ち上げる従来の開発手法と比べて58%ものコスト削減が実現したとある。インターフェースには、インターネットの進展で発達してきたウェブの標準技術を使うことが主流で、SOAを実現するプラットフォームとしてもJavaが脚光を集めることとなった。
今回の2006 JavaOneで発表されたJavaアプリケーションプラットフォームの最新版「Java EE 5」については、Sun MicrosystemsがSOAへの対応と明言するプレゼンテーションを披露したほか、複数のオープンソース化計画も発表しており、各ベンダーの取り組みが期待される。
Java EE 5をアピールするSun Microsystems
JavaOne主催者のSun Microsystemsのブース
Javaの開発者であるSunは、SOAを今後のビジネスの柱と考え、新CEOのJonathan Schwartz氏の下、オープンソース化戦略を推進中である。同社はこれまで長らくオープンソース化には消極的だったが、今回のJavaOneではオープンソース化を前面に打ち出しており、2005年のJavaOneで発表になった「Participation Age」(参加の時代)と称する時代へのサポートを、より具体化している。
今回発表になったJava EE 5は、ウェブ環境での開発トレンドを大きく盛り込んだのが特徴で、J2EEと呼ばれていた時代も含めこれまでのJava EEにおける約7年間の歴史の中で最大のバージョンアップとなった。
Java EE 5プラットフォームは、動作環境のサンプルを豊富に提供する「Reference Implementation」、Java仕様準拠評価用の「Technology Compatibility Kit」、ソフトウェア開発キットの「Software Development Kit」から構成される。企業内ネットワークはクライアントサーバ型からWebサービス型へと移行中で、ウェブアプリケーションの開発はJavaの利用が増えている。Java EE 5はこうしたトレンドを踏まえ、さらにEoD(開発容易性)を意識したものとなった。
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