Sun Microsystemsは米国時間20日、新しい「UltraSparc IV+」プロセッサを搭載したUnixサーバを発表した。従来比2倍のパフォーマンスを誇る同チップの採用で、同社は主力Unixサーバ製品のてこ入れを図りたい考えだが、まもなく他社からも競合チップが登場することになっている。
CNET News.comが最初に伝えたように、UltraSparc IV+(開発コード名「Panther」)は1.5GHzで動作し、4プロセッサのV490から24プロセッサのE6900までのミッドレンジモデルに搭載される。これらのシステムはSunの稼ぎ頭となってきていたが、この市場はIBMやHewlett-Packard(HP)との激しい競争が繰り広げられている分野でもある。
Sunは昨年、このデュアルコアチップの動作速度が1.8GHzになる見込みだと述べていた。いずれこの動作速度のチップが投入されることに変わりはないが、ただしその登場は2006年前半以降になると、同社のFred Kohoutは述べている。同氏は、UltraSparcベースのサーバを販売するScalable Systems Groupのマーケティング担当バイスプレジデント。
しかし、競合チップも続々と登場してくる。IBMの「Power5+」やIntelのデュアルコアItanium(開発コード名「Montecito」)も今年中の登場が見込まれているが、Kohoutは後者のチップファミリーには「先がない」としてこれを退けた。
Unixサーバの売上拡大はSunにとって緊急の課題となっている。Gartnerによると、2005年第2四半期の同市場の売上は6.6%増の42億ドルとなったが、しかし同市場におけるSunのシェアは38%から33%に低下したという。同四半期に、HPのシェアは29%と変わらなかったが、IBMは23%から28%へとシェアを伸ばしている。
新チップを搭載したシステムの価格は、従来機種と変わっていない。デュアルUltraSparc IV+プロセッサと8Gバイトのメモリを搭載する最廉価版のV490は約3万1000ドルで、24プロセッサと96Gバイトのメモリを搭載するE6900は110万ドルとなっている。
Sunが市場シェアの低下にも関わらずUltraSparcファミリー重視の姿勢を崩していないことから、同プロセッサ関連で新たな動きが続くものと見られている。一例を挙げると、UltraSparc IV+はトップエンドのE15k(36プロセッサ搭載)ならびにE25K(72プロセッサ搭載)の両サーバにも「それほど遠くない将来」の時点で搭載されることになると、Kohoutは説明した。
もう1つ、SunはシングルコアのUltraSparc IIIi+をローエンドのUnixサーバに搭載する。IV+同様、IIIi+も製造はTexas Instruments(TI)が担当し、UltraSparc IVやIIIiが採用した130ナノメートルプロセスではなく、90ナノメートルの新しい製造プロセスが採用される(1ナノメートルは10億分の1メートル)
また、今後数カ月以内に、Sunは「Niagara」(開発コード名)プロセッサを搭載した初めてのサーバ群を投入する予定だ。同プロセッサは8つのコアを持ち、合計で32のスレッドを同時に処理することが可能。同プロセッサは、高さ1.75インチの「Erie」と3.5インチの「Ontario」という2つのシステムに搭載されると見られている。この2つのシステムは、同社のx86サーバ「Galaxy」製品ラインに属する「X4100」および「X4200」とそれぞれ同じ筐体が使われる。
今回発表されたUltraSparc IV+搭載の各モデルは、同社のSolaris OSで動作するが、ただしバージョン9と10にしか対応していない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ