独立行政法人理化学研究所(理研)とインテルは11月17日、理論ピーク性能1ペタフロップスを実現する分子動力学シミュレーション専用コンピュータ・システム「MDGRAPE2-3(エムディーグレープ・スリー)」の一部を使ったシミュレーションで、汎用計算機に換算したときの実効計算性能185テラフロップスを達成したことを発表した。システム構築にあたっては、日本SGIが技術協力をしている。
両法人は、この成果により2006年のゴードンベル賞(ピーク性能部門Honorable Mention)を受賞した。ゴードンベル賞は、その年に行われた最高の高性能実用計算、最高の価格あたりの実用計算に与えられる賞。
今回実行したシミュレーションは、酵母菌のプリオンタンパク質と呼ばれている「Sup35」に由来するペプチド(アミノ酸が少数つながったもの)の凝集過程をシミュレーションしたものだ。
今回使ったシステムは、理研の開発した分子動力学シミュレーション専用計算ボードMDGRAPE-3を400枚(計4778チップ)に、インテルのデュアルコア「インテル Xeon プロセッサー 5150番台コア」(開発コード名:Woodcrest)を320個搭載した並列クラスタ(サーバ80台構成)と、「インテル Xeon プロセッサー 3.2GHzコア」を40個搭載した並列クラスタ(サーバ20台構成)を接続した構成。デュアルコアを用いることで、専用計算機の利用効率を高めることに成功しているという。