日本ヒューレット・パッカード(HP)は4月18日、同社のブレードシステム「HP BladeSystem c-Class」に関するセミナーにて、定価63万円(税込み)のブレードエンクロージャを315円(税込み)で提供開始することを明らかにした。
これは、「ブレードを導入したいが、エンクロージャが高価で購入に踏み切れない」という顧客の声を同社がくみ取ったもの。「HPに相談だ!」キャンペーンとして、来週より開始する予定だ。エンクロージャを315円で購入するには、ブレードサーバを3枚購入する必要があるが、1つのエンクロージャにつきブレードサーバ3枚購入という条件さえ満たしていれば、1社で購入できるエンクロージャの数に制限はない。
キャンペーンの一環として、ブレード本体も定価から30%割引となる。これらの価格は、7月31日までの期間限定で適用される。
日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダード・サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクトマーケティング部の山中伸吾氏は、従来型サーバとブレードサーバの定価を、インテルXeonプロセッサX5160 x1、メモリ2Gバイト、HDD 146Gバイトx2、NIC 4個搭載という同一条件の構成で比較した場合、「スイッチを含めるとサーバ3台でラック型サーバとブレードサーバが同価格になる。ブレードは高価だというイメージが強いようだが、実はそうではない」と話す。
それでも破格値にてエンクロージャを提供するのは、ブレードシステムの導入にあたって必ず必要となるエンクロージャへの初期投資を抑えることでブレードを普及させたいという、HPの施策だ。
上記に挙げた価格比較では、ラック型サーバ「HP ProLiant DL360 G5」が3台、「HP ProCurve L2」が2台、ラック用電源タップなどという構成と、ブレードサーバ「HP ProLiant BL460c」が3枚、CGbE2スイッチ、エンクロージャ、共有オプションという構成を比較し、両構成共に合計285万6000円となる計算だったが、キャンペーン価格を適用するとこの構成は、「ブレードの方が従来型サーバより120万円以上割安となる」と山中氏。
HPでは2007年に入り、エントリーサーバ「HP ProLiant ML110/ML150」の全モデルが半額となる「まるごと半額キャンペーン」を実施するなど、積極的な価格戦略を打ち出している。ブレードエンクロージャを315円とするのも、こうした戦略の一環といえそうだ。
山中氏によると、今後はc-Class以前のブレードシステムを利用しているユーザーが、新システムに移行しやすくなるような施策なども展開していきたいとしている。