EMCジャパン、ハイエンドストレージの新機能を発表--「データ移行コストをゼロまで削減可能」

藤本京子(編集部)

2011-01-26 19:14

 EMCジャパンは1月26日、ハイエンドストレージ「Symmetrix VMAX」向けの新機能を発表した。新機能により、重要な業務アプリケーションを安全に仮想化できるという。

糸賀誠氏 EMCジャパン テクニカル・コンサルティング本部 プロダクト・ソリューションズ統括部 統括部長 糸賀誠氏

 EMCジャパン テクニカル・コンサルティング本部 プロダクト・ソリューションズ統括部 統括部長の糸賀誠氏は、「仮想化は、コスト削減を目標とする段階から、サービス品質の向上を目指す段階へと進化しており、OracleやSAP、Microsoft Exchangeといったミッションクリティカルアプリケーション領域でも仮想化の採用が進んでいる。こうした中、仮想化の要件として、効率性はもちろんのことセキュリティや保護、可用性、スケーラビリティが求められるようになった」と述べ、「これらの要件を満たすのが、新しい機能を搭載したSymmetrix VMAXだ」とした。

 Symmetrix VMAXの新機能は主に3つ。自動階層化の最新バージョン「FAST VP(Fully Automated Storage Tiering with Virtual Pools)」と、無停止でアレイ間の連携が可能となる「Federated Live Migration」、アレイベースのデータ暗号化機能「VMAX Data Rest Encryption」だ。

 FAST VP最新バージョンの特徴は、従来数十Mバイトから1Gバイトのブロック単位で階層化していたデータを、8Mバイトまで細分化して自動階層化することだ。糸賀氏によると8Mバイト単位での自動階層化というのは「業界最小の粒度」という。小さいブロック単位でデータを分析し、必要なデータのみ低負荷で移動できるため、「パフォーマンスを約40%向上させつつ、約40%のコスト削減が可能。電力消費量も約75%削減できる」(糸賀氏)としている。

 Federated Live Migrationは、アレイベースの組み込み技術で実現するアレイ間ストレージフェデレーション機能で、アプリケーションを止めることなくSymmetrixストレージアレイ間のデータ移行が可能となる。「通常VMAXクラスのストレージを導入する場合、データの移行は1回では終わらず、約半年かけて2回システムを停止して移行することになるが、この機能を使えば、1時間で540万ドルともされる停止に伴うコストをゼロまで削減できる」と糸賀氏。同機能はVMAXに標準搭載されるため、追加ライセンス料は必要ない。

 VMAX Data Rest Encryptionは、ハードウェアベースの新たな暗号化機能で、アプリケーションのパフォーマンスに影響を与えることなくデータを暗号化し、仮想環境やクラウド環境におけるストレージ共通プール内でのセキュリティを確保する。RSA Data Protection Managerが組み込まれているため、外部鍵管理システムは不要だ。ディスクドライブ単位で暗号化ができ、ファイバチャネルやSATAなどすべてのドライブをサポートするとしている。

 糸賀氏によると、SymmetrixはAT&T、ESPN、American Expressをはじめ、すでに全世界で数百以上のユーザーにて導入の実績があるという。国内ユーザーは、「名前は明かせないが、すでに2ケタの企業で導入されている」(糸賀氏)とのことだ。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    初心者にも優しく解説!ゼロトラストネットワークアクセスのメリットと効果的な導入法

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. ビジネスアプリケーション

    Google が推奨する生成 AI のスタートアップガイド、 AI を活用して市場投入への時間を短縮

  4. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  5. セキュリティ

    高まるOTセキュリティの重要性、侵入による「ブランド価値低下」を多くの企業が指摘

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]