Salesforce.com主催のイベント「Dreamforce '09」が11月18日(米国時間)、サンフランシスコにて開幕した。巨大な基調講演会場が満席で埋まってしまう勢いの同イベントの参加登録者は、1万9000人にのぼった。
基調講演にて同社会長 兼 CEOのMarc Benioff氏が発表したのは、「Service Cloud 2」と「Sales Cloud 2」、そして「Salesforce Chatter」だ。
次世代のカスタマーサービス
Service Cloud 2は、9月に東京都内にて開催された「Cloudforce Japan」にて既にデモが公開されていた。Benioff氏が「次世代のカスタマーサービス」と呼ぶこのサービスは、インターネットのクラウド上にあるナレッジを企業のカスタマーサービスと統合するものだ。
「製品について何か聞きたいことがある場合、カスタマーサービスに電話するのもひとつの手段だが、今ではユーザーは、Googleで検索したりQ&AのコミュニティサイトやTwitterで質問したりして、企業を介さずに解決することが多い。企業は閉じられた世界のカスタマーサービスに投資を続けているが、ユーザーはオープンなインターネットの情報を頼りにしているのだ」とBenioff氏は述べ、現在のカスタマーサービスの問題点を指摘した。
ユーザーが求めているインターネット上の情報を、企業側からも提供できるようにするのがService Cloud 2だ。Service Cloud 2を使えば、TwitterやFacebook、Q&Aサイトなどの情報を企業のカスタマーサービスと統合できるようになる。
デモでは、Dellの事例が紹介された。DellはService Cloud 2を利用してクラウド上のさまざまな情報をナレッジベースとして蓄積している。情報の入手先はQ&AサイトやFacebookなどさまざまだが、Service Cloud 2上ではこれらの情報にランク付けもでき、ユーザーに最も適切な答えをサポートページで提供できるようにしている。
また、ユーザーがDellのサポート情報にアクセスする方法もさまざまだが、「例えばTwitter経由でDellのサポートにユーザーから問い合わせが来たとする。その質問に対する最適な答えがナレッジベースの中にあるFacebookから引き出した情報だとすると、ユーザーにその情報が書かれているリンク先をTwitter経由で返信する。情報を引き出すことも、ユーザーへの返答を送ることも、すべてService Cloud 2というひとつのアプリケーション上でできるのだ」と、デモを担当したSalesforce.com プロダクトマーケティング担当 シニアバイスプレジデントのKraig Swensrud氏は述べた。