オリンパスシステムズは1月21日、SAP AG(SAP)および日本IBMと協力し、クラウドによる小売業界向け基幹業務システム「UVAS Core System 6 for Retail」を提供すると発表した。
UVAS Core System 6 for Retailは、SAP ERP基盤を活用した小売業界特化型の基幹業務クラウドサービス。グローバルのビジネスプロセスに対応するSAP ERPの小売業向けテンプレートへ、オリンパスシステムズがこれまでに培ったファッションアパレル業を中心とする小売業界でのノウハウと、IBMの持つグローバルでのSAPソリューション、小売業界でのサービス構築経験にもとづくアセットを融合しているという。販売在庫管理、調達管理、会計、マーチャンダイジング(MD)など、小売業に必要とされる機能を包括的に提供する。提供開始は9月の予定。
同サービスのインフラは、オリンパスシステムズが日本IBMのクラウドサービスである「IBMマネージド・クラウド・コンピューティング・サービス(MCCS)」内のプライベート環境を通じて提供する。同環境は、CPUやメモリなどのIT資源を従量課金型で提供するもので、急な使用量増加にも動的に対応できるなどの特長がある。
ユーザーは、オリンパスシステムズが提供するクラウド環境を通じ、国内外を問わずあらゆる場所でシステムを利用、共有できる。これにより、グローバルでの情報共有や意思決定が可能になるという。また、テンプレートやアセットを活用することによるサービスの構築期間の短縮や、サーバやソフトウェアなどの資産購入コスト、サーバの設置スペースが削減でき、システムコストの最適化が期待できるとしている。
オリンパスシステムズでは、UVAS Core System 6 for Retailにおいて、将来的にビジネスインテリジェンス、サプライチェーン等の機能を追加する予定。また、対応業種も、ファッションアパレル業から雑貨や家電量販店などを含む小売業への拡大を図り、海外で同サービスを活用するユーザーをサポートするための体制も構築していくという。