「米Unisysから買い受けた自社株をずっと持ち続けるつもりはない。適当なパートナーに買ってもらいたいと思っている」――。日本ユニシス社長の籾井勝人氏は、Unisysから買い受けた日本ユニシス株式について、3月17日に開かれた経営説明会でこのように語っている。
Unisysは3月15日に、日本ユニシス株式の27.84%になる約3052万株を売却。そのうち、発行済み株式総数に対する割合が17.84%になる約1956万株をモルガン・スタンレー・ジャパンが購入、残りの10%(約1097万株)を日本ユニシスが買い受けている。籾井氏は、その買い取り相手について「ユーザー企業に買ってもらうなどの選択肢があり、三井物産になるかもしれない」と話している。三井物産は、Unisysの売却により、27.84%を保有する筆頭株主になっている。なお、モルガン・スタンレー・ジャパンは、「ブロックトレード」と呼ばれる手法で保有する全株を複数の機関投資家に販売するとしている。
「Unisysとの技術関係は必要」籾井勝人氏 |
Unisysとの関係について籾井氏は「技術の面で今後も提携していく」と説明している。また社名も「変えるつもりはない」と語っている。
株式売却の話があったのは「およそ3週間前くらいから進んでいた」(籾井氏)。Unisysの財務状態が良好ではなかったことから、籾井氏は株式売却も含めた「“頭の体操”はしていた」という。実際に株式売却の話が出たとき、Unisysの財務状態について籾井氏は「こんなに悪いとは思っていました」と語っている。
籾井氏は2005年6月に三井物産副社長から日本ユニシス社長に就任。2006年1月に、日本ユニシス・ソリューション(USOL)社長を兼務。その狙いは「日本ユニシスが営業、USOLが開発、ユニアデックスが保守という“三位一体”の体制を展開していくため」と説明する。また、技術力強化のために「総合技術研究所」を新設している。
籾井氏は、日本ユニシス・グループ全体で成長していくために「研究開発(R&D)強化、M&A推進、グローバル展開、三井物産との連携強化という4本柱を立てて進めていく」としている。