日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2月20日、開発/テスト環境を構築するパッケージサービス「HP Shared Service Utilityサービス(エイチピーシェアードサービスユーティリティサービス:HP SSUサービス)」の提供を開始した。
HP SSUサービスは、仮想化および自動化の技術を活用することで、利用者の要望に応じた開発/テスト環境を短期間で利用可能にするインフラを構築する新しいサービス。必要なハードウェア/ソフトウェアを提供するだけでなく、基本設計からシステム構築サービスまでを含めて提供する。
具体なコンポーネントとしては、ハードウェア、OS、ミドルウェアで構成される「リソースプール」、HP Virtual System EnvironmentおよびVMware ESX Serverで構成される「仮想化ソフトウェア」、ウェブベースの「運用ポータル」の3つを提供。HP-UX、Windows、Linuxの3つのOSをサポートする。
HP SSUサービスの導入効果は、「開発期間の短縮」「インフラ運用管理コストの削減」「開発生産性の向上」など。開発期間の短縮では、従来2週間程度かかっていたシステム追加要求を運用ポータルからの設定だけで1〜2日程度で利用可能にする。
また、サーバの物理統合により、ランニングコスト(運用コスト、消費電力、光熱費など)の低減と過剰な投資の抑止を実現する。さらに基本的な作業を自動化できるので、運用管理者による人的ミスを防ぐことも可能。運用管理者、開発者などの生産性の向上が期待できる。
同サービスは、HPが提唱する理想的なITインフラ実現のためのコンセプト「アダプティブインフラストラクチャ」を実現する要素技術のひとつ。日本HPでは、中国・大連のソフトウェア開発拠点「HP大連オフショアサイト」において、HP SSUサービスのベースとなるシステムを構築した。
HP大連オフショアサイトでは、約300の仮想環境をラック3台分のシステムに集約。日本HPのソフトウェア開発環境を共有サービス化している。これにより、HP-UXサーバ13台を1日で配備できるなど、業務の効率化を実現しているという。
日本HPの取締役 副社長執行役員 サービス事業統括、石積尚幸氏は、「HP SSUサービスを利用することで、運用コストの削減やサーバリソースの有効活用、迅速かつ高品質なサービス展開など、さまざまなビジネス上のメリットが期待できる」と話している。
HP SSUサービスに関する詳細は、日本HPのウェブサイトで紹介されている。