「CIOは過去に必要とされた役割と異なるものを求められている」――GartnerのDale Kutnick氏(シニアバイスプレジデント兼エグゼクティブプログラム最高責任者)はこのように述べ、2011年の最新トレンドと将来の方向性を解説した。
Kutnick氏が言う異なる役割を帯びたCIOとはどのような存在か? それは「収益をもたらすCIO」という言葉に集約される。ガートナーでは「2015年までに、新しいGlobal 2000企業のほとんどで、ITの毎年の収益によってCIOの年俸が決定される」という見解を表明している。
「収益をもたらす存在としてのCIO――今日そうしたかたちで機能しているのは全体の10〜15%と言われている。それが今後、ますます増えていくのではないか。それがCIOの報酬にもつながる」(Kutnick氏)というのだ。
一方でCIOの管理下にあり自由に使える予算は減額傾向にあるが、Kutnick氏は「これは非常に興味深い傾向につながっていく。それはITが企業全体の成長に貢献するということだ。従来は人事や財務などをITでサポートし、コストを削減していたが、ITの力で収益や売上を伸ばしていくという方向が現れてきたのだ」と訴える。