ネットマークスは7月、帯域が狭く遅延の大きいWAN環境においてクライアント・サーバ型アプリケーションの性能劣化を抑えるアプライアンス「SteelHeadシリーズ」を出荷する。開発は米Riverbed Technology。価格は最安価モデルであるSteelHead 510を2拠点で使った場合に構築費を含んで300万円から。売上目標は初年度5億円。
SteelHead 2010 |
SteelHeadは、WANを挟んだ遠隔拠点間で対向で設置する装置である。対向するSteelHead同士の間で、TCPコネクションの最適化や転送データのキャッシュを実施し、WANを挟んだ通信を高速化する。1:Nの接続が可能であり、企業のデータセンターに1台、複数の遠隔拠点に1台づつ設置し、複数の遠隔拠点からデータセンターへのアクセスを高速化する。
SteelHeadの主な機能は2つある。1つは、データのキャッシュ機能である。WANを経由して1度転送したデータを、2度目からは転送せずに済ます。更新がかかった場合は差分データに限って転送する。もう1つの機能は、1度張ったTCPコネクションを切らずに使いまわすことで、ハンドシェイクなどにかかる通信負荷を削減する機能である。
SteelHeadは、搭載するキャッシュ用ディスクの容量などによって5種類のモデルに分かれる。それぞれ、高さ1UがSteelHead 510と同1010、高さ2Uが同2010、高さ3Uが同3010と5010である。最安価のSteelHead 510は高さ1Uでディスク容量は80Gバイト。最上位モデルSteelHead 5010は高さ3Uでディスク容量は512Gバイトである。
なお、SteelHeadの国内販売先としてネットマークスは日本ダイレックスに次いで2社目となる。また、SteelHeadが属する製品カテゴリを、ネットワーク・ファイル・システムであるNASをWAN経由でキャッシュする用途を意味する「WAFS」(Wide Area File Services)と呼ぶ。WAFS製品には、SteelHeadのほか、米Cisco Systemsの「Cisco 511 File Engine」などがある。