ファイアウォールなどのセキュリティ製品を手がける米CyberGuardが日本市場に本格参入しようとしている。同社は2月23日、都内にて記者発表会を開催し、1月5日付けで日本オフィス代表に就任した後藤聖治氏を紹介するとともに、日本における市場戦略について説明した。
日本オフィス代表となった後藤氏は、インテルのセールスマネージャーとしてVPNやSSL製品などを担当したのち、SonicWALL日本オフィスの代表として中小企業向けファイアウォール製品の販売やマーケティング活動に従事した。同氏は、CyberGuardの提供する製品が大規模なネットワークを対象としたハイエンド向けに設計されているため、中規模以下のネットワークを対象とした製品も同様のレベルで提供できることや、同社の製品は他社製品より信頼性が高いと述べた。
CyberGuard 日本オフィス 代表 後藤聖治氏 |
後藤氏の就任に伴い、同社は日本オフィスの法人化を予定しているという。後藤氏は日本オフィスの役割として、まず日本でCyberGuardのプレゼンスを確立すること、また、サポートを中心に、営業、技術、マーケティングの組織と人員を強化することを挙げている。さらに、販売代理店であるキヤノンシステムソリューションズやネットマークス、ヒューコム、バーテックスリンクへの支援を強化するとともに、リセラーの開拓、アライアンスパートナーとの提携で販売拡大をめざすとしている。「やることはあたりまえのことだが、ひとつひとつをきっちりやり遂げることが重要だ」と後藤氏はいう。
CyberGuardは同日、次世代ファイアウォール・VPNアプライアンス「Total Stream Protection(TSP)ファミリー」と、コンテンツセキュリティ管理製品「CyberGuard WW1000 Content Security Appliance(WW1000)」を発表している。
TSPファミリーは、送信元や宛先のIPアドレス、プロトコル、ポート番号、曜日・時間を設定することでパケットの送受信を許可したり禁止したりする「パケットフィルタリング」をはじめ、クライアントからの通信要求を代行してサーバと通信する「アプリケーションレベルゲートウェイ」、TCPレベルのコネクション要求を調べ、問題がなければ改めて目的のホストに通信する「サーキットレベルゲートウェイ」の3種類のアクセス制御が行えるというものだ。
WW1000は、CyberGuard独自のLinuxであるCG Linuxと、アンチウィルス、アンチスパム、URLフィルタリング、内容保護などのコンポーネントを持つ情報漏えい防止ソフトウェア「Webwasher Contents Security Management」を統合し、ハードウェアと一体化させたセキュリティアプライアンスで、TSPファミリーと一緒に稼働するという。
米CyberGuard 技術担当シニアバイスプレジデントのポール・ヘンリー氏は、「CyberGuardの製品は、ネットワーク上で安全なパケットのみを許可するという設計になっている。一方、競合のセキュリティ製品は、危険なパケットを検知して排除するという考えだ。しかしGartnerの調査報告では、新たな脆弱性が毎月700件も発見されており、それをすべて排除リストに加えていくのは不可能だ」と述べ、同社製品の優位性を主張した。
TSPファミリーの出荷は4月からで、価格は123万4000円より。WW1000の出荷は3月1日からで、価格はWebwasherソフトウェア100ユーザー分を含み165万円からとなっている。CyberGuardでは、これらの製品を中心に、日本オフィスにおける2005年度の売上5億円を目指すとしている。