Sun Microsystemsが、「Solaris 10」に搭載予定のある機能から、世間の注意をそらそうとしている。
開発コード名を「Janus」と名付けられたこの機能は、LinuxアプリケーションをSolarisオペレーティングシステム(OS)上でも利用できるようにするものである。この機能はまだリリースされていない。Sunが今、Janusではなく、「Xen」と呼ばれるオープンソースソフトウェアに重きを置く戦略をとり始めている。
これまでSunはJanusについて、LinuxユーザーがSolarisに乗り換えるのを支援する有効なツールであると述べてきた。Solarisとは、Sunが開発するUnix系オペレーティングシステム。Sunは希望する顧客にはJanusを提供するものの、現在では、Linuxアプリケーションは通常のLinux上で稼動させるべきだと考えているようだ。
「われわれがLinuxアプリケーションを意識してきたのは、LinuxユーザーにSolarisへ移行するきっかけを与えたかったからだ。しかし例えば、動作の保証されたデータセンターアプリケーションを走らせるとなれば、動作の保証されたソフトウェアスタック上で実行すべきだろう」とSunでSolarisのマーケティング担当ディレクターを務めるTom Goguenは述べた。
オープンソースソフトのXenを使うと、LinuxとSolarisを、同一のコンピュータ上で同時に実行することが可能になる。Xenは、複数のOSを同時に1台のコンピュータで動作させる仮想化ソフトウェアの一種である。Xenは現在のところ主にLinuxで使用されているが、Goguenは「Sunは、Xenプロジェクトに積極的に関わってきた」と述べる。
同氏は、SunではXenがより広く普及することを望んでいるとしたうえで、Janusの提供やサポートも行っていくと述べた。SunのエグゼクティブバイスプレジデントJohn Fowlerは、Xen開発者をこれまで支援してきたことについて、「ハードウェアを山のように無償提供している」と述べた。また、SolarisプログラマのTim Marslandは米国時間10日付けのブログのなかで、OpenSolarisをXenに対応させる作業を手伝って欲しいと、支援を呼びかけた。
IBM、Hewlett-Packard(HP)、Intel、Advanced Micro Devices(AMD)もXenを支持している。Microsoftは、Xenにも適用されているGPL(General Public License)に批判的な立場を取っており、独自の仮想化ソフトウェア開発に取り組んでいる。
Janusは、正式にはLinux Application Environmentと呼ばれ、LinuxコマンドをSolarisコマンドに変換する。Janusを使うことで、Linux用に書かれたプログラムを、そのまま手を加えずに、IntelのPentiumやAMDのOpteronなどのx86プロセッサを使用するコンピュータ上で利用することが可能になる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ