マイクロソフトは5月31日、東京都内にて組み込み開発者向けのイベント「Microsoft Mobile & Embedded DevCon 2006」(MEDC)を開催した。定員500名のイベントに訪れた来場者は、午前の時点ですでに600名を超え、「Windows CE」や「Windows Mobile」などWindows系組み込みOSに対する開発者の関心が高いことが伺える。
基調講演に立ったMicrosoftのモバイル&エンベデッド事業部 ジェネラルマネージャー Michele Freed氏は、「現在世界中で100種類以上のWindows Mobile搭載端末が出荷されており、ライセンス数の伸び率も非常に高い。日本でもウィルコムの『W-ZERO3』端末が大成功を収めており、出荷数も近日中に15万台に達する勢いだ」と、組み込み系のビジネスが好調なことをアピールした。
Microsoftの提供する組み込みOSは、携帯電話やPDAなどに使われる「Windows Mobile」と、家電やロボット、POS端末などに使われる「Windows Embedded」があり、Windows EmbeddedはさらにオープンソースでリアルタイムOSの「Windows CE」、x86プロセッサ向けの組み込みOS「Windows XP Embedded」、POS端末用の「Windows Embedded for Point of Service」(WEPOS)の3種類に分けられる。Freed氏は、講演の中でこれら組み込みOSのロードマップについて説明した。
まずWindows Mobileについては、2005年8月に発表したバージョン5.0が最新版となっている。次期バージョンの発表までにMicrosoftは、Windows Mobileの機能強化として「Messaging and Security Feature Pack」を追加した。この機能強化では、セキュリティおよび管理機能の向上やExchange Serverと直接同期できる機能などが実装されている。Windows Mobileは、Windows CEをベースに開発されるため、次期バージョンの発表もCEのリリースサイクルの影響を受けるが、「Windows Mobileの次期バージョンは2007年になる」とFreed氏は述べた。
一方、Windows CEはこれまで、4.0、4.1、4.2と3回のバージョンアップを約1年半の間に実施するなど、頻繁なバージョンアップを行っていたが、「バージョン5以降はメジャーなバージョンアップを18カ月から24カ月というサイクルで行うことに決めた。その間に追加した機能は、機能パックという形で提供する」と、Microsoft モバイル&エンベデッド事業部 シニアテクニカル製品マネージャーのMike Hall氏は話す。