ノベルは7月19日、同社の提供するエンタープライズLinux製品の最新版「SUSE Linux Enterprise 10」を発表した。同日に発売を開始している。
SUSE Linux Enterprise 10には、サーバ向けの「SUSE Linux Enterprise Server(SLES) 10」とデスクトップ向けの「SUSE Linux Enterprise Desktop(SLED) 10」が用意されている。いずれも、同社のスポンサードによるオープンソースプロジェクトである「openSUSE」コミュニティからのフィードバックを反映し、企業内での運用に耐える安定性と信頼性を確保した製品になっているという。
最新版では特に「Novell Customer Center」によるユーザーサポート機能が強化されており、この機能を通じて、ユーザー企業はソフトウェアの最新アップデートを受け取ったり、サブスクリプションの更新、システム構成情報の管理といった作業を行える。将来的には、この機能をテクニカルサポートの窓口として利用可能にする予定という。
また、セキュリティ機能として「Novell AppArmor 2.0」が搭載されており、アプリケーションに手を加えることなく、容易な操作でファイアウォール設定を行えるという。最新版では、内部統制を支援する監査機能とレポート作成機能が強化された。
サーバ向けのSLESには、Xen 3.0.2ベースの仮想化テクノロジが搭載されている。Intel Vertualization TechnologyおよびAMD-Vのサポートにより、完全仮想化にも対応するという。また、YaSTモジュールによる仮想マシンの管理機能も搭載する。
Xen 3.0.2による仮想化をサポートする「SUSE Linux Enterprise Server 10」。YaST2上での仮想マシン管理も可能だ。
デスクトップ向けのSLEDでは、ユーザビリティの向上を目指した各種の改良が行われている。Xgl/3Dデスクトップ環境、OpenOffice 2.0ノベル版、Novell AppArmor 2.0、Bagle(デスクトップ検索ツール)、Novell Evolution(コラボレーションツール)といった生産性およびセキュリティ向上のためのソフトウェアが複数、標準装備されている。
ユーザビリティの向上を目指した「SUSE Linux Enterprise Desktop 10」。トランスペアレントウィンドウ、3Dデスクトップなどの先進的なUIを利用できる。
SLESは、IA-32/EM64T/IA-64、AMD64、 IBM System i5/iSeriesおよびSystem p5/pSeries、IBM System z9/zSeries(64ビットのみ)の各プラットフォームで動作する。SLEDは、IA-32/EM64T、AMD64上で動作する。価格はオープンで、参考価格はSLESが4万1880円(zSeries以外の32CPUまでの1サーバ1年間のアップグレードプロテクションライセンス)、SLEDが6000円/1デバイス。
ノベル、代表取締役社長の堀昭一氏は発表にあたり、開発スピードや技術資産の継続性、経済性などの面でメリットの大きいオープンソースの利点と、保守環境が成熟した従来型のソフトウェアを組み合わせた「ミックス・ソース」による企業の情報インフラの提供がノベルのビジョンである「Open Enterprise」であると説明。単一のシステムプラットフォームに依存せず、ミックス・ソース環境での運用を行う企業が実際に増えているという米国での調査結果を引用した上で、ノベルがOpen Enterpriseを推進するために必要な技術的、財政的な規模を有する唯一の企業であるとした。
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