NECとN&J金融ソリューションズは6月12日、顧客ごとの異常行動分析により異常な金融取引を早期発見する金融機関向けモニタリングシステム「アカウントプロテクター」を発表した。NECが同日より販売を開始した。開発に協力した名古屋銀行が、すでに第1号ユーザーとしての導入を決定している。
アカウントプロテクターは、ATMやインターネット、営業店端末などの各種チャネルを経由した取引と出金、振込などの内容を監視し、異常な取引を検出する。異常取引かどうかの判断は、定義済み検知条件(標準ルールエンジン)に合致するかどうか調べるほか、過去の取引を統計分析して下す。ライトウェルの不正検知システムをベースとし、名古屋銀行とN&J金融ソリューションズが開発に協力した。
顧客のニーズや費用に応じて、以下のエンジン3種類を段階的に組み合わせた導入が可能だ。
- 標準ルールエンジン:あらかじめ設定した標準的な取引パターンにもとづき、異常取引や口座の不正利用を検知する
- 顧客異常行動検出エンジン(統計的手法):顧客ごとの取引行動特性を統計的手法で分析、蓄積し、その後の取引における異常取引を検知する
- ツリー&ニューロモデルエンジン:異常行動特性データを一定量蓄積した後、ニューラルネットワーク技術にもとづいて分析し、異常の判定、検出を実行する。オプションで提供する
アカウントプロテクターの税込み価格は、標準ルールエンジンのみが700万円から、顧客行動統計分析が800万円からとする。NECでは、今後3年間で30システムの販売を見込む。