米カリフォルニア州サンノゼ発--「PCは過去のものになりつつある」。Sun Microsystemsの社長、Jonathan Schwartzは米国時間23日、当地で開催された「American India Foundation」の会合にて講演を行い、このように述べた。
同氏によると、PCの代わりに重要度を増しているのは、インターネット上のウェブベースのサービスとそれにアクセスする携帯電話だという。
「次のイノベーションを加速するアプリケーションのほとんどはサービスであって、デスクトップPC上で動くアプリケーションではない。真のイノベーションが起こっている場所は、ネットワークとネットワークサービスだ」とSchwartzは述べた。
そのようなサービスを支援するバックエンドのインフラを提供するSunは、何年も前からこのメッセージを発信し続けている。だが、今回は、この構想にはメリットがあることを実際に証明できそうだ。
Schwartzは、ネットワーク上で無償サービスを展開するeBay、Google、Yahoo、Amazon.comといった企業が力をつけていることを指摘した。観衆の中には、デスクトップPC上のアプリケーションよりもインターネットサービスを利用することの方が多いと回答する人の方が多かった。そして、PCベースのソフトウェア事業を最大の収入源にしているMicrosoftは、台頭するウェブベースのサービスに対抗するのに苦戦している。
Schwartzによると、PCは、2方向から脅威を受けているという。サービスがネットワークに移行していること、さらに、ユーザーがこれらのサービスを使うのにPCを利用しなくなっていることだ。そして、PCの代わりに利用されるのは、携帯電話だ。特に、携帯電話の利用は、新興国で顕著である。そのため、Sunにおいて、これらの地域に対する優先順位は、非常に高いという。
「世界の大部分の人々にとって、最初にインターネットを体験する機器は携帯端末となるだろう」(Schwartz)
開発途上地区のデジタル開発支援という意味では、Schwartzは次のような見解を示した。「われわれの世代は総じて、ユーザーに与える最も重要なものはデスクトップPCだと信じている。だが、私はそうは思わない。最初に与えるべきは、インターネットへのアクセスだ」
Schwartzが昨年Sunの社長に就任して以来、同社はデジタルデバイド解消のキャンペーンを展開している。たとえば、OpenOffice.orgなど、無償で入手できるオープンソースのソフトウェアを宣伝している。だが、Schwartzは、Sunのモチベーションは利他的であるなどと装っているわけではない。
「サハラ砂漠以南のアフリカに住む5000万人がネットワークに加わる。これは明らかにわが社の興味あるところだ」(Schwartz)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ