サン・マイクロシステムズが東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催しているJava開発者会議「JavaOne Tokyo 2005」の2日目となる11月9日、基調講演のステージに同社の代表取締役社長、Dan Miller氏が登場。「Day-1」のスタートを宣言するとともに、日本のJava開発者にコミュニティへの参加(Paticipation)を訴えた。
- サン・マイクロシステムズの代表取締役社長、Dan Miller氏
Miller氏は、「2005年2月に東京で開催したJava Computing 2005 SpringでJavaの10周年イベントがスタートし、米国、中国のJavaOneを経て、JavaOne Tokyo 2005で締めくくることができるのは嬉しいこと。Javaがどんなに素晴らしい技術でもコミュニティの力なしには、Javaの現在も、そして未来もない。今日は、JavaとJavaコミュニティのためのお祝いの日だ」とコミュニティの重要性を強調した。
その重要なコミュニティ向けの施策のひとつとしてサンでは、JavaOneのテーマでもある「Participation Age(参加の時代)」を実践するネットワーク型開発環境である「Sun Japan Developer Grid」を発表。日本のJava開発者に同プロジェクトへの参加を呼びかけた。Sun Japan Developer Gridは、最新テクノロジーが搭載された開発環境をネットワーク上でセキュアに利用できる環境を提供するプロジェクトだ。
さらにMiller氏は、11月9日に総務省がソフトバンクグループのBBモバイル、イー・アクセス子会社であるイー・モバイル、およびアイピーモバイルの3社に対し、携帯電話事業への新規参入を認可したことに触れ、「そのうちの1社(イー・モバイル)が明日、W-CDMA向け携帯電話へのJava技術の搭載およびソフトウェア供給での協業を発表する」ことを明らかにした。
McNealy氏はビデオで登場
今回のJavaOne Tokyo 2005で残念だったのは、米Sunの会長兼CEOであるScott McNealy氏とバイスプレジデント兼サンフェローであるJames Gosling氏が来日できなかったことだ。Gosling氏は急用で来日できなかったために、今回は同氏のメッセージを聞くことができなかったが、McNealy氏はビデオで登場した。
McNealy氏はビデオで、Java市場が急速に拡大し、1000億ドル市場に成長していることを紹介。「Javaの成長を支えているのが、950のJCPメンバーであり450万人のJavaDeveloperだ。Java開発者には本当に感謝している」と述べた。
「現在、世界では、28億台のJava搭載デバイスが使用されているほか、7億台のPCと12億5000万枚のクレジットカードにJavaが搭載されている。また10億の携帯電話にJavaが搭載されており、140以上の携帯キャリアがJavaを採用している。今やJavaにより誰もがネットワークに参加できる時代が到来している」(McNealy氏)
基調講演の途中には、JavaOne Tokyo 2005の司会進行役を務めるサン・マイクロシステムズの専務取締役 営業担当、末次朝彦氏がステージに登場。「難しい話はともかく、まずはやることがあるでしょう。今日はお祝いの日ですよ」とサンフランシスコのJavaOneでMcNealy氏が言ったのと同じ言葉で講演を一時中断。
会場に「サンフランシスコとほぼ同じケーキ」(末次氏)がJavaのマスコットであるデュークの先導のもとに運び込まれ、来場者全員で「Happy Birthday to Java!」を合唱してJavaの10周年を祝った。