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マイクロソフトの使命は「前へ向かって走る」こと:オープン時代のオフィスソフト(1)

マイクロソフトは、2006年2月に行われた「Microsoft Developer Conference」で、日本において初めて「Office 12」のデモを披露した。最新バージョンでのOffice Systemとしての進化のポイントや、新たなUIやXMLベースのファイル形式の採用といったトピックについて聞いた。

柴田克己(編集部)  2006年2月14日 13時17分

 「(Microsoft Officeは)すでにアプリケーションではなく、プラットフォームであることを認識してほしい」

 2006年2月2日、「Microsoft Developer Conference」(MDC)の基調講演で、日本で初めて行われた「Office 12」のデモに先駆けて、米マイクロソフトでインフォメーションワーカービジネスグループのゼネラルマネージャを務める沼本健氏は、聴衆に向かってこう呼びかけた。

 ワープロや表計算といったアプリケーションは、エンドユーザーにとって身近で、かつ使用頻度の高いソフトウェアだ。WordやExcelといったマイクロソフトのアプリケーション名は、今や、そうしたカテゴリのアプリケーションを表す代名詞として通用するほどのシェアと知名度を獲得している。

 10年以上の進化の歴史の中で、MS Officeは、紙に印刷して配布するための文書を作成したり、簡単な表を作ったりするためアプリケーションといった枠組みを超えた。サーバ製品をも取り込みつつ、ユーザーによるコラボレーションやコンテンツ管理、ワークフローなどを実現するための製品ファミリーとしてブランディングが行われている。マイクロソフトでは、2003年3月に「Microsoft Office System」と呼ばれる構想を打ち出すことで、Officeシリーズをプラットフォームとして進化させていくという姿勢を明確に示した。2006年後半には開発が終了する予定のOffice 12においても、その方向性に変化はない。

Office Systemとしての進化

マイクロソフト、インフォメーションワーカービジネスグループゼネラルマネージャの沼本健氏

 マイクロソフトにとって、最新バージョンのOfficeの競合となるのは、常に旧バージョンの「Microsoft Office」だという。現行のOffice 2003は、旧バージョンからの移行に関しては「Office XPの時と比べて25〜50%ほどうまくいっている」(沼本氏)とのことだが、そのカギとなったのは、Office System構想に基づく統合的なソリューションが、ユーザーに支持されているからだろうと沼本氏は分析する。

 Office Systemにおいて、マイクロソフトが提供しようとするのは、各アプリケーションで作られたコンテンツをベースに、スマートな共同作業やデータの再利用を行うための総合的な環境である。それに必要な、コンテンツ管理機能、検索機能、ビジネスインテリジェンス(BI)機能、ポータル機能、コミュニケーション機能などを実現するためのサーバコンポーネントが提供され、アプリケーション側では、バックエンドへのアクセスを容易にするための機能が追加されたり、強化されたりする。

 例えば、Windows Server 2003で動作する情報共有エンジンである「Windows SharePoint Services」(WSS)とクライアントの統合は、Office 12でさらに強化されるという。例えば、Outlookでは、ワークグループで共有したいドキュメントをユーザーが送信メッセージに添付することで、SharePointへアップロードし、共有することが可能になる。また、SharePoint上のAccessデータベースを複数のユーザーがローカルにあるデータベースと双方向に同期しながら利用することもできるようになる。これらの機能をベースにして、必要であれば、さらに高度なソリューションを独自に開発することも可能だ。

「こうしたことは、サーバ、クライアント、サービスが有機的に連動することで初めて可能だ。マイクロソフトの持つテクノロジー資産の幅が広いことが、大きな差別化のポイントになる」(沼本氏)

Office 12で実現するソリューションとして提示された図。ドキュメント管理、コミュニケーション、検索といった機能を、必要に応じて組み込み、利用することができる。

 ユーザーにとって、使い始めるためのコストが低いデスクトップアプリケーションを足がかりとし、必要に応じてクライアントと親和性の高いコラボレーションやサーチ機能、コンテンツマネジメント、BI機能を提供していく。最終的には、バックエンド側をスケールアップすることで、移行コストを抑えつつ、より大規模な展開も可能とする。こうした製品展開は、顧客に対してより多くの選択肢を提供するためのものであるという。

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