Microsoftは、先ごろ出た敗訴判決を受け、使用中のOfficeによってはアップデートが必要になることを、各国の法人顧客に電子メールで通知し始めた。
Microsoftが米国時間30日に明らかにしたところによると、同社では「Access」と「Excel」間の対話方法を変えた「Office 2003」「Office XP」の新バージョン投入を余儀なくされているという。
この措置は、2005年カリフォルニア州オレンジ群で審理され、グアテマラ人発明家のCarlos Armando Amadoに特許権を認めた裁判の判決を受けたものである。MicrosoftはAmadoが1994年に取得した特許を侵害したと判断され、890万ドルの損害賠償支払いを命じられた。この裁定額は、1997年3月から2003年7月までのOfficeの売上を考慮して算出されている。
Microsoftは顧客あての電子メールで、「先ごろ、『Microsoft Office Professional Edition 2003』『Microsoft Office Access 2003』『Microsoft Office XP Professional』および『Microsoft Access 2002』のコードの一部が第三者の特許を侵害しているとの裁判所の判断が下りました。そこで、弊社では対象製品について侵害が疑われるコードを差し替えた修正版を用意する必要があります」と述べている。
既存の顧客は使用中のマシンで旧バージョンを使い続けることができるが、Office 2003を新たにインストールする場合は、Microsoftが9月にリリースしたService Pack 2の適用が必要になる。また、Office XPについては専用パッチ適用後に使い始めなくてはならない。
Microsoftはまた、既存のソフトウェアも新しいコードにアップデートすることを顧客に推奨している。
MicrosoftのシニアプロダクトマネージャSunny Jensen Charleboisは、CNET News.com向けの声明のなかで、「一部の顧客で不都合が生じるが、必要な作業は最大限支援し、可能な限り不便がかからないようにする」と述べている。同社では、大幅に内容を変更したOffice(開発コード名「Office 12」)の準備を進めており、2006年中には出荷を予定している。
Microsoftは影響を受ける顧客の数を明かしていないが、Officeユーザーの「ごく一部」になるだろうと考えている。しかし、同社は、今後は新バージョンを使用するようすべての企業に求めることが考えられるので、大企業の大半がこの影響を受けることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ