シトリックス・システムズ・ジャパンは10月26日、デスクトップ仮想化戦略の説明会を開催した。シトリックス 代表取締役社長のMichael King氏は、「企業では今、老朽化したPCからWindows 7への移行の問題や、モバイル対応の必要性など、さまざまなニーズがあるが、これはすべてデスクトップ仮想化のニーズにつながることだ」として、同社がデスクトップ仮想化を推進する背景を語った。
こうしたニーズが高まる中、シトリックスはデスクトップ仮想化を推進するプログラムとして3つの施策を発表した。その1つは、「XenDesktop 4トレードアッププログラム」だ。これは、現在利用しているXenAppの同時使用ユーザーライセンスを2倍の数のXenDesktop 4ユーザーライセンスに交換できるというもの。同プログラムは、Subscription Advantage(ソフトウェア更新サービス)が有効なユーザーが対象で、XenAppからXenDesktop 4へのトレードアップの希望価格はユーザー1人あたり1万3650円からとなっている。通常の契約更新料を加算すると、「最大で希望小売価格の80%引きでXenDesktop 4のライセンスが購入できる」(King氏)という。このプログラムは2010年6月30日まで利用可能だ。
2つ目のプログラムは、教育機関に向けたライセンシングプログラムだ。これは、学生、教員、運営職員まですべての教育機関関係者を対象として大幅なディスカウントを提供するもので、マイクロソフトが提供する「Microsoft Campus Agreement」に従ってモデル化するという。詳細は11月中旬にも発表される予定だ。
そして3つ目のプログラムは、仮想デスクトップをクラウドサービスとして配信可能にする「シトリックス サービス プロバイダー プログラム(CSP)」だ。これは、同社のクラウドコンピューティングソリューション「Citrix Cloud Center(Citrix C3)」を拡張し、サービスプロバイダー向けに従量課金制を導入したものだ。
すでに同プログラムのパートナー企業として契約を結んだアイアイジェイテクノロジー 取締役 ソリューション推進本部 本部長の松本光吉氏は、「IIJグループでは、専用サーバと仮想サーバを組み合わせた自由な構成が可能なクラウド基盤『IIJ GIO』を提供しており、この基盤上でシトリックス製品をクラウドサービスとして提供していきたい」としている。IIJでは、「IIJ GIO 仮想デスクトップサービス」を2010年2月より開始する予定だという。
シトリックスのKing氏は、「CSPは、SaaS(Software as a Service)やDaaS(Desktop as a Service)の新しいビジネスモデルに対応したものだ。月額課金による従量制ライセンスのため、サービスプロバイダーが初期投資を抑えられる」と述べている。