「オープンソースソフトウェアの導入で様々なことが可能になる。ユーザにその可能性を提供したい」と、レッドハットのミッションを語る代表取締役社長の藤田祐治氏、これまでLinuxによるインフラコストの削減を提供してきた同社が、ミドルウェアにまでその領域を広げる。23日、レッドハットはJBoss Enterprise Middlewareの国内展開を発表した。
JBoss Enterprise Middlewareは、米Red HatがJBoss買収によって手に入れたミドルウェアスタックだ。アプリケーションサーバに開発フレームワークやポータルなどを統合し、フルスタックのプラットフォームとして提供される。
Red Hat Enterprise Linuxと同様、レッドハットはサポートの提供によって対価を得ることになる。マーケティング&パートナービジネス本部長の纐纈昌嗣氏は「日本の市場にあったミドルウェアの提供を行う」とし、国内でのサポートの注力を強調する。同社ではJBossやEJBなどの扱いにたけたスタッフを10人JBoss専用に配置、国内でのサポート体制を整える。また、日本語サポートのポータルサイトや日本語ドキュメントの提供も行われる。
国内でのパートナーも充実させた。Advanced Business Partnerとして日本ユニシスと野村総合研究所を獲得、サイオステクノロジーやNEC、日本ヒューレット・パッカードなど既存のJBossパートナーとの連携も図る。
サポートはミドルウェア全体のほかコンポーネント個別にも提供され、価格はJBoss Enterprise Application Platform(4CPU unit)で702,000からなど。サポートOSはRed Hat Enterprise LinuxのほかにWindowsやSolaris、HP-UX、その他のLinuxも含む。
纐纈氏は「インフラからミドルウェアまでのコスト削減により、予算がシステムの柔軟性と競争力の強化に投入されることを期待する」とする。特に昨今注目されるSOAに対しては、「小さく初めて大きく育てるという導入が推奨されており、ライセンスコストが削減できるOSSは有効なアプローチとなる」(JBoss担当ビジネスデベロップメントマネージャー 岡本浩明氏)とする。