IDC Japanは3月27日、国内x86サーバ市場のマルチコアプロセッサー搭載製品の出荷動向およびマルチコア技術が市場に与える影響の分析結果について発表した。
発表によると、2007年第3四半期のマルチコアプロセッサー搭載製品の出荷台数は13万7193台で、国内x86サーバ市場の出荷台数の91.1%を占め、2007年にソケット数の少ない製品への需要シフトを促進するx86サーバのマルチコア化はほぼ完了する見込み。これにより、x86サーバの設置効率、電力効率の向上をもたらしている。一方でマルチコア化はサーバベンダーの収益を圧迫する要因になっているという。
2008年以降はマルチコアx86プロセッサーが実装するCPUコア数が継続的に増加、主流のデュアルコアプロセッサー搭載製品からクアッドコアプロセッサー搭載製品にシフトし、2011年にクアッドコアプロセッサー搭載x86サーバの出荷台数比率は45.9%になると予測している。
同社のサーバリサーチマネージャーの福冨里志氏は「今後、国内x86サーバ市場でCPUコア/ソケットの多いサーバの出荷台数比率が上昇するのにともない、サーバの利用効率向上を目的としたx86サーバ用仮想化ソフトウェアの導入が進む。X86サーバ自体での利益を犠牲にしたとしても、付帯するソリューションの販売によって、より多くの利益をあげる方法である。マルチコア化のポスト普及期は、後者の方法をとるものにとって、利益を獲得する好機となる。プロセッサーが実装するCPUコア数の継続的増加がもたらす処理性能の向上が、サーバ仮想化ソフトウェアによるx86サーバの利用効率改善へのニーズを高めるからである」と述べている。