ジャストシステムは、IBMが10月15日~20日の期間、アナハイムで開催したカンファレンス「IBM Information on Demand」のスポンサーセッションにおいて、xfyとDB2の組み合わせによりITアウトソーシングの効率化を実現した三共のシステム構築事例を紹介した。
1899年に創業した三共は、医薬品、医薬部外品、医療用具などの製造、販売、輸出入のパイオニアであり、「生命関連産業として、世界に通用する製品を通じて世界の人々の健康と豊かな生活に貢献する」ことを経営理念に事業を展開している。
その三共では2005年10月に、三共が取り組んでいたグループ機能再編の一環として、IT部門のアウトソーシングを決定。ITプランニングや投資計画など、戦略的な部分だけを社内に残し、ITインフラ構築や、システム開発、運用管理、サービス品質管理、サービスレベル管理、プロセスの標準化などをアウトソーシングした。
別の言い方をすれば、ITシステムの運用管理のためのPDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルにおいて、「Check」の部分を三共が行い、ActionからPlan、Doへと続く部分は、アウトソーシング先に任せるという仕組みを実現している。
IT部門をアウトソーシングするにあたり、最大の鍵となるのは三共のITシステムがどのように運用されているのかを把握することだった。このとき、最も重要なのはプロセスをいかに可視化することができるかであり、どのようなツールを使うかは二の次だった。
三共で経営管理室 副部長を務める原木普氏は、「SALやKPIなどの指標を設定するためには、自分たちのCOBIT(Control Objectives for Information and related Technology)を策定しなければならなかった」と言う。つまり、アウトソーシングを円滑に、そして効率的かつ効果的に運営していくためのガイドラインを作ることが必要だった。
そこで、やるべきことが一目でわかる“アクティビティレポート”を毎月作成することで、三共とアウトソーシング先のプロセスの可視化を実現した。アクティビティレポートは、「システムの有効性」「システムの状態」「サービスデスク報告」「ユーザーサービス」「SLA」「主要プロジェクト状況」「システム開発プロジェクト報告」の7つのカテゴリで構成されている。
このアクティビティレポートにより三共は、アウトソーシング先を効率的に管理することが可能になり、一方のアウトソーシング先は、三共からのフィードバックを受けて、次の行動を迅速かつ正確に計画し、実行することが可能になっている。