日立ソフトウェアエンジニアリングは、同社のクラウドサービス「SecureOnline」上で動作するサービス基盤技術を開発し、社内業務システムを対象に運用を開始した。社内で28のサーバが支える14の業務システムをSecureOnlineの仮想環境に移行、11月から本番運用を開始している。日立ソフトウェアエンジニアリングの社員4人が2.5カ月にわたって開発した。
今回発表された新業務システムは、勤務状況を各社員が登録するシステム。つまり、出社時間を登録するため始業時にピークを迎え、月間作業時間の入力や承認のために月末にもピークを迎えるというシステムだ。
こうした特徴をもつシステムであることから、日立ソフトウェアエンジニアリングは一般的なクラウドコンピューティングの特徴にならい、サーバをスケールアウトさせてサービスを提供している。ただし、無制限にスケールアウトするのではなく、事前にシステムがインストールされている仮想マシンの追加と削除を行う仕組みを開発した。また、オープンソースのロードバランサを操作するライブラリも開発している。
日立ソフトウェアエンジニアリングでは、平常時は始業前に6台にスケールアウトし、ピークが終了した後は2台にスケールダウンしてリソースを開放する運用をとっている。月末は、始業前から終業後まで6台に設定することで対応するという。
スケールアウトの制御は、スケールアウト開始時刻と仮想マシンの利用台数を設定しておけば、仮想マシンを自動的に起動し、システムの起動を確認後に、ロードバランサに振り分け先を追加することで実現した。また、スケールアウトの実行状況を監視するコンソールを用意し、コンソールから即時にスケールアウトを実行できるという。