より高い品質の提案を求めて--ネットイヤー、社内SNS「SKIP」を導入

富永恭子(ロビンソン)

2010-08-10 17:21

 ITホールディングスグループであるTISの社内ベンチャーカンパニー、SonicGardenは8月10日、ネットイヤーグループに社内SNS「SKIP」を導入したと発表した。1月に導入したSKIPは現在、全社員約180名の「新しい社内メディア」として活用されているという。

 SonicGardenでは、SKIPは「社内コミュニケーションの活性化」「ナレッジマネジメント」に役立つ社内向けSNSをクラウド型で提供するサービスとしている。社員同士の気軽なコミュニケーションにより、社員が持つノウハウの共有や、Q&Aによる助け合いを支援するサービスだ。これまで、人材派遣、教育、金融、情報サービスなど幅広い業種で活用され、1万人規模での導入実績も有しているという。

 ネットイヤーグループでは、提案品質の向上を売上増のためのキードライバーとして捉えている。そのため、ナレッジ共有の推進とコミュニケーションの活発化による質の高い提案が、売上向上に繋がると考えていたという。そこで、ナレッジを共有できる文化や社員同士が助け合える関係性の構築など「社内コミュニケーションの土壌」を作り上げることを目的にITツールの導入検討を始めた。

 同グループが挙げたツールの要件は、「論理的で活発な議論や高次元のコミュニケーション」を実現する前段階として、「組織を横断して、社員同士が何となく互いを知っており、声をかけやすい」という関係性を作れる“社員同士のベーシックな関係性”の確立だった。また、「形式知を知る(KNOW-HOW)」より、特定のテーマの情報を発信してくれた人に直接コンタクトして、話を聞き、ナレッジを共有するという「人を知る(KNOW-WHO)」も重視したという。

 これらの要件に基づきITツールを選定した結果、コミュニティ機能をもつ社内SNSを選択、最終的にSKIPの採用が決まった。SonicGardenが、セクショナリズム打破を目的に社員数約3000人の企業でSKIPを浸透させた実績と、その運営ノウハウを有する点が高く評価され、今回の採用につながったとしている。

 採用決定後、2009年8月に部門内の有志32名が使う小規模な実験が始まった。評価指標による検証の結果、「ブログやブックマーク等のSNS基本機能は概ね8割以上が賛成」「提案業務に関わる機能は6割以上が賛成」など良好な反応があり、2009年10月に経営層の正式な承認を得て、1月の全社導入に至っている。

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