石川県七尾市にある恵寿総合病院が、ユニファイドコミュニケーションシステム(UCS)の導入を決定。構築にあたっては、マイクロソフトのソフトウェアとデルのハードウェア製品を採用した。
数多くの部門からなる総合病院では、より良い医療サービスの提供のため、医師、看護師および病院スタッフ間のコミュニケーションの円滑化や、各部門が持つ情報の共有が課題になっているという。
今回、恵寿総合病院が採用を決定したのは、デルのブレード型サーバ「Dell PowerEdge M610」、iSCSIストレージ「Dell EqualLogic PS6000XV」。これにマイクロソフトの「Office Communications Server 2007 R2」および「SharePoint Server 2010」を搭載することで、病床451床、職員663名を擁する病院全体をカバーするリアルタイムコミュニケーションと効率的な情報共有基盤を構築するとしている。同システムは、10月中旬に本格稼働の予定。
Office Communications Server 2007 R2では、様々なツールを統合するとともに、その「プレゼンス機能(在席情報)」により、相手の業務状況を可視化し、その状況に応じた最適なコミュニケーションを実現するという。これにより、医師が診察や手術などに対応中か、看護師が患者に施術中かなど、相手の状況を瞬時に把握し、電話、インスタントメッセージ、メールなどから最適なツールを事前に選択できるため、無駄のないコミュニケーションを行えるとしている。また、相手の業務を中断することによる医療サービスの質の低下を防ぎ、ヒューマンエラーなどの医療リスクの低減に貢献できるという。
患者情報、院内通達事項を含む院内のドキュメント管理にあたっては、SharePoint Server 2010を利用して効率化を図る。これにより、看護師の作業マニュアルの整備、必要事項の迅速な検索、医師や看護師のスケジュールの共有、専門知識や改善事項、患者の声を共有することによるスタッフのスキルアップや業務の効率化をサポートするという。
デルでは、マイクロソフトとのパートナーシップを通して、インフラストラクチャ・コンサルティング・サービス(ICS)による多くのUCSの導入実績があるという。今回の導入にあたっても、そこでの経験を生かして、導入や利用が容易なシステムの提供を行ったとしている。恵寿総合病院では、医療連携を推し進めるための統一されたインフラとして、今後は院内のみならず、外部病院・施設とのより効率的な情報共有も目指していくという。