ジェーシービー(JCB)は、業務オフショア化を実現するシンクライアントシステムとして、日立製作所(日立)のシンクライアントソリューション「セキュアクライアントソリューション」を採用し、稼働を開始した。1月14日に日立が発表した。
JCBでは、業務コスト削減により事業競争力を強化するため、2008年度から中国大連への業務オフショア化による業務処理体制の再構築を進めてきた。また、JCBカード入会希望者から送られたカード入会申込書のデータ作成、システム登録、精査など、業務スタッフ100名規模のクレジットカード発行業務を中国大連へ移管している。
今回の業務移管にあたり、顧客データ保護やセキュリティの観点から、日立のシンクライアントシステムを導入したという。セキュアクライアントソリューションは、シンクライアント「FLORA Seシリーズ」や、認証デバイス「KeyMobile」、ブレードPC「FLORA bd500」、Citrix Systemsのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Citrix XenDesktop」などの組み合わせで実現されている。今回稼動を開始したシンクライアントシステムは、国内のデータセンターに設置されたFLORA bd500を中国大連の業務スタッフが利用するシンクライアント端末からセキュアなネットワークを介して利用可能とするものだ。
システムの運用にあたっては、業務スタッフの入れ替わりや増員などに対応するため、各スタッフ専用のブレードPCを保持する方式ではなく、管理サーバでPCのリソースを共有化、一元管理し、空きブレードPCを効率的に活用できる「動的割当」の方式を採用しているという。 また、顧客情報が保存されたブレードPCは国内のデータセンターで厳重に管理されるため、現地シンクライアント端末から情報漏えいが発生するリスクがないという。さらに、ソフトウェアのアップデートやバックアップなどのPC運用管理を国内データセンターで一括して行えるため、システム運用管理コストを軽減できるとしている。