JavaFXは、5月8日(現地時間)にプレビュー公開された、Java環境でRIAを構築する技術としてリリースしたスクリプト言語だ。GNU GPLライセンスの下で配布されているが、プレビュー版ということもあり、内容は随時更新されている。
現時点ではデスクトップアプリケーション向けのバージョンのみが公開されているが、今後はモバイル向けのバージョンもリリースされる予定という。この特集では6月18日(現地時間)に公開されたOpenJFX-200706181411.zipというモジュールを用いて、JavaFXについての説明を4回にわたって述べていきたい。今回はJavaFXによるスクリプトを実行するための環境を整えることにしよう。
まずはモジュールをダウンロード
JavaFXの実行環境が収められたモジュールは、tgzかzipの形式のファイルをダウンロードすると取得できる。それぞれの容量は約10MBで、展開(解凍)すると約13MB程度になるので、空き容量の確保を忘れないようにしたい。モジュールを展開するときには、ルートフォルダを作成しておこう。ここではその作成したフォルダを%JFX_HOME%と呼ぶことにする。
実行環境その1 - javafxコマンド
JavaFXによるスクリプトを実行する最もシンプルな方法は、スクリプトのファイル名をjavafxコマンドに指定することだ。このコマンドは%JFX_HOME%\trunk\binディレクトリに存在する。コマンドを多用する場合は環境変数PATHにこのディレクトリを追加すると良いだろう。Windows環境ではjavafx.bat、Linuxなどではjavafx.shをコマンドとして実行する。
ただし、スクリプトはクラスパス(CLASSPATH)から探すので、スクリプトが存在するディレクトリをこれに追加しすることを忘れないようにしたい。
javafxコマンドの実行例
cd javafxコマンドのディレクトリ(もしくはこのディレクトリをPATHに追加)
set CLASSPATH=スクリプトが存在するパス;%CLASSPATH%
javafx スクリプトのファイル名
実行環境その2 FXShellクラス
スクリプトを手軽に実行するには、javafxコマンドがもっとも適しているが、開発環境を自在に切り替えたい場合や、Javaクラスのコンパイル後に実行したい場合などがあるかもしれない。そんなときは、javafxコマンド内で実行されているnet.java.javafx.FXShellクラスをAntで直接実行したほうが良いだろう。別のAntタスクと組み合わせることもできるので便利だ。リスト1-1にbuild.xmlの例を示す。
リスト1-1 Antによりスクリプトを実行するためのbuild.xmlの例