Windows環境で「ターミナルサービス」を利用する企業が増加してきている10の理由

文:Brien Posey(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2010-09-21 08:00

 「ターミナルサービス」(Windows Server 2008 R2では、「リモートデスクトップサービス」という名称に変更されている)が登場してから何年も経っているが、最近になって、ようやく利用する企業が増加してきているようだ。以下にその理由を10個紹介する。

#1:ハードウェアがようやく追いついてきた

 ターミナルサービスが登場したのは、Windows NTのリリースと同時期であった。しかしその頃のサーバハードウェアでは、複数のサーバセッションをサポートすることに難があった。しかも、当時の一般的なネットワーク帯域は10Mbpsしかなかったため、ターミナルサービスのようなネットワーク負荷の高いアプリケーションを実行すると、ネットワークが簡単に過負荷状態になってしまっていた。今日では、サーバハードウェアがかつてないほどパワフルになり、1台のサーバ上で複数のOSインスタンスを稼働させることが当たり前となっている。つまり、今日のサーバはターミナルサービスのセッションをホスティングするという要求に十分応えられるようになっているわけである。

#2:Windows Server 2008 R2では、完全なVDIソリューションが可能になっている

 Windows Server 2008 R2では、完全な仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)を構築できるようになっている。つまり、仮想デスクトップOSをホスティングするようなターミナルサーバ設定も可能となっているのである。このため、ユーザーのログオフとともに、該当ユーザーの行った変更はすべてロールバックされ、仮想ハードディスクは次のユーザーの使用に備えて元通りの状態に戻るというわけだ。

#3:個人専用の仮想デスクトップを生成することができる

 仮想デスクトッププール内で管理される仮想デスクトップは通常、すべて同じものとなるよう設計されている。ユーザーが仮想デスクトップに変更を加えることは許されておらず、各VDIのセッションでは初期設定状態の仮想マシンが起動することになる。こういった技術は有益であるものの、ユーザーがデスクトップ環境に変更を加えられるようにしたいというニーズを抱えている企業もあるはずだ。このようなニーズに応えて、Windows Server 2008 R2では特定の仮想デスクトップを個々のユーザーに割り当てられるようになっている。こうすることにより、ユーザーは専用の仮想デスクトップの設定を必要に応じて変更できるようになるというわけだ。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]