6回にわたって連載してきた「ECサイトのレコメンド技術を考える」もこれで最終回となる。これまでの連載は、ECサイトにとってのレコメンド技術を解説してきたが、最終回はレコメンド技術がウェブ全体の中でどのような位置づけとなるかを考察し、幅広い視点からこの技術のもたらす影響や今後の展望について解説する。
レコメンド技術と検索エンジンの関係
レコメンド技術は一種の検索エンジンといえる。検索エンジンといえば、GoogleやYahoo!をイメージする人が多いだろう。これら検索エンジンの主な仕組みは、ウェブページのリング構造やサイト内テキストを収集してインデックス化したものから、ユーザーが入力する検索キーワードに応じて「誰もが求めるだろうウェブページ」を選び出してくれるものだ。
対してレコメンド技術は、これまで解説したとおり、設定した情報(ルールベース)やコンテンツの情報(コンテンツフィルタリング)、ユーザー行動履歴(協調フィルタリング)を基に、コンテンツや商品、記事を選び出して表示している。つまり、膨大な情報から独自の切り口によって、「ユーザーの嗜好(サイト運営者の意図)に沿ったウェブページ」を選び出す検索活動である。
レコメンド技術はGoogleやYahoo!の検索エンジンとは違い、ユーザー自らが能動的に探し求めた結果を表示するわけではない。ユーザーは、サイト側が勝手に用意した情報を受動的に閲覧することになる。つまり、検索エンジンは明示的な検索活動であるのに対し、レコメンド技術は暗黙的かつ自動的に行われる検索活動だ。同じ検索活動であっても、検索エンジンは「選択肢を絞る技術」で、レコメンド技術は「選択肢を決めてくれる技術」といえる。
検索やレコメンドによるユーザーのたどる経路ここで、ウェブの世界の変化を見てみよう。連載第1回で、レコメンド技術が注目される理由として、ネットマーケティングの変化とレコメンドソリューションの低価格化を挙げた。Amazon.co.jpのようなECサイトが登場した当時、ネットマーケティングはそもそも確立したものがなく、暗中模索な活動であった。そのため、各担当者は何を信じて施策を打つべきか悩んでいたが、Amazonの成功事例によってロングテール理論とLPO(ランディングページ最適化)に注目し、レコメンドソリューションに飛びついたのだ。
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