前回の記事(「仲の良いネットベンチャーと仲の悪いネットベンチャー」)で取り上げた11月2日発売の「BusinessWeek」誌であるが、裏表紙を見て驚いた。Googleの全面広告である。その白地の多いシンプルな広告でGoogle曰く。
Over 60% of the Fortune 100 have gone Google.
これを見て思い出されたのが、空港など目立つところで打たれていたOracleの広告。良くあるパターンはこんな感じ。
12 of the 12 Top Pharmaceutical Companies Run Oracle Applications
数や業界などはいろいろなバリエーションがある。いかにOracle製品が業界のスタンダードであるかを誇示する内容で、あたかも使っていないこと自体に問題があるかのような印象を与える。Googleの今回の広告は同じような雰囲気を醸している。
さて、このGoogleの広告には同社の強い意志が感じられる。それは、ネット広告の代名詞でもあるGoogleが紙媒体に広告を出しているところにも表れている。
それは、コンシューマーからエンタープライズへの拡大を狙う強い意志である。そして、そのOracleを想起させる言い回しは、どちらかと言えばコンシューマーに強いMicrosoftは通り越し、エンタープライズに強いOracleを仮想敵として見ていると思われる。
かつて“Google”という社名そのものが「検索する」と同義語となった。今、“Going Google”という言葉でエンタープライズ領域への本格進出を目論む。広告は以下の文言で締めくくられる。
"Going Google" means switching your company over to one of Google's enterprise products - from Google Apps to Postini to the Google Search Appliance. Learn more at www.google.com/gonegoogle.
さて、エンタープライズ領域でも“Going Google”というキーワードは流行語となるのだろうか。訳すなら「グーグル化」といった感じだろうか。指し示されているウェブサイトのアドレスが“gonegoogle”(グーグル化済)であるところがちょっと気になるが。
筆者紹介
飯田哲夫(Tetsuo Iida)
電通国際情報サービスにてビジネス企画を担当。1992年、東京大学文学部仏文科卒業後、不確かな世界を求めてIT業界へ。金融機関向けのITソリューションの開発・企画を担当。その後ロンドン勤務を経て、マンチェスター・ビジネス・スクールにて経営学修士(MBA)を取得。知る人ぞ知る現代美術の老舗、美学校にも在籍していた。報われることのない釣り師。
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