海外の著名なセキュリティイベント「CanSecWest」が、日本・アジアに向けて実施しているイベント「PacSec」。今年も11月27〜30日まで、東京・表参道の青山ダイヤモンドホールで開催される。カナダのCanSec、英国のEUSecWest、そしてPacSecと3カ所で開催している同イベントだが、PacSecは今年で5回目の開催。これにあわせて、CanSecWestの創始者であるDragosTech.comのCEO、Dragos Ruiu氏が来日したので、今回のPacSecの見どころなどを聞いた。
CanSecは2000年からスタートした。もともとエンジニアだったRuiu氏はその当時、IT技術者にフォーカスしたセキュリティイベントがなかったことに不満を持っていたそうだ。この思いを契機に、自らイベントを主催したのがCanSecだ。BlackHatのように個人のハッカーが集まるものでもなく、RSA Conferenceのようにビジネス色の強いイベントでもない。不正侵入検知ツール「Snort」の開発メンバーの1人でもあるRuiu氏は、「(同氏のような)エンジニアが求めている、参加したくなるようなカンファレンス」にすることを目標にしている。
Dragos Ruiu氏
さてここ数年、コンピュータセキュリティでは大きな変化が起きている。それまではサーバーに対して無差別に攻撃を仕掛けたり、マスメール送信をしたりといったいたずら目的が多く、「子供のおもちゃ」的な状況だった。ところが最近は、WebブラウザやMicrosoft Officeなどのクライアントソフトを狙い、しかも金銭の窃取を目的とする組織犯罪が急増。金融機関や特定の企業を標的にした攻撃も増え、より問題が深刻化、潜在化している。
これまではスクリプトキディの攻撃も多かったが、今やプロのプログラマが攻撃手法を開発しており、攻撃はより高度になっている。「(素人の)路上強盗とマフィアの違いのようだ」とRuiu氏。しかも、米連邦捜査局(FBI)の調査によると、現実の強盗事件の平均被害額は日本円で50万円以下だったが、サイバー犯罪ではより多くの金銭を、より安全に奪うことができるため、問題が大きいと指摘する。
そうした現状の中、PacSecでは、8カ国から集まった選考委員が、寄せられた情報セキュリティに関わる攻撃手法、防御手法などについての論文を査読し、新しい技術、新しい防御技術など、特に新しさに着目して議論、選定しているという。
この新しい技術というのがPacSecの大きなポイントで、Ruiu氏もBlackHatやRSA Conferenceのような他のセキュリティイベントと比較し、「技術者に対して、より新しい技術情報を提供する」ことにフォーカスした点を違いとしてあげる。金銭目的のためにより高度化し、次々に新しい技術が使われるサイバー犯罪に対抗するため、技術者に対して新たな攻撃手法や防御手法を伝えるのがPacSecなのだ。
PacSecでは、プロフェッショナルに向けて高度なカリキュラムを提供する「セキュリティ・マスターズ道場」が27〜28日に、幅広い層に向けて情報を提供するセッションが29〜30日に実施される。そこでRuiu氏に、セッションの見どころを語ってもらった。
関連情報
-
RSAセキュリティ社長:「セキュリティ単体企業は生き残れない」
「RSA Conference 2007」の基調講演でRSAセキュリティの社長が、ウイルス対策といった保護サービスのみを提供するセキュリティ単体企業は、2〜3年で存在意義を失うだろうとする見解を表明した。 - セキュリティ専門家が語る「インターネットの統制状況」
- 「社会状況を意識した技術開発を望む」--Black Hat Japan 基調講演
- PacSec
「セキュリティ」 の新着情報
-
出生率アップにまでつながったMSのデジタルデバイド解消プログラム
マイクロソフトのデジタルデバイド解消に向けたプログラムに最初に取り組んだ大分県では、ユニークな子育て支援プログラムを... - ゴルフダイジェスト・オンラインに不正アクセス--個人情報漏洩は「事実ない」
- データドメイン、非重複化技術を搭載したバックアップストレージの最上位機種を発売
- 米ヤフー、Zimbraのパスワード流出問題を修正へ
- NECとエントラストが協業:WebSAMオフィスとEntrust IdentityGuardを連携
- セキュリティ 一覧へ »
「インタビュー」 のバックナンバー
-
「もはや単なる仮想化ソフトの企業ではない」--ヴイエムウェアCEO
7月にVMwareのCEOに就任したPaul Maritz氏は、過去に14年間Microsoftに在籍した人物だ。就任後初の大型イベント「VMWorld 2008」にて同氏は、VMwareの経営方針や競合となるMicrosoftに対する思いなどを語った。 -
今後の注目はSaaSと仮想化--CA IAM r12発表で目指すセキュリティ管理戦略
-
B・ゲイツ氏、MS常任会長退任インタビュー--創業期から今後まで(後編)
-
B・ゲイツ氏、MS常任会長退任インタビュー--創業期から今後まで(前編)
-
MS開発トップが語る「Windows 7」(後編)
- インタビュー 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
【今注目のIT企業は何を考える…??】
オススメIT系求人情報も毎週月曜日更新! -
コラボレーション基盤特集
Notes置換とバージョンアップの情報はこちら
企画特集
-
エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」
【第1回】開発者に訊く!各機能と開発の狙いとは -
これからの時代のセキュリティ対策
くるぞ!in the cloudソリューション -
グリーンITの第一歩は見える化です
経営・財務・情報システムの3つの視点から環境対応を考える -
KDDI「SaaSソリューション」
〜社内コミュニケーションの課題への解決策とは〜 -
Techno Exchange
RackableとCTCの地球にやさしい関係 -
ZDNet Japan Green IT
サミットだけでは終わらせない!エンタープライズの取り組みはこれからだ! -
なぜ社内文書は無秩序に分散するのか?
真の文書管理を考える3か条に迫る!
ZDNet Japan イベント
- 開催日:2008年10月23日(木)
- イベント一覧へ»