「Red Hat Developer Program」の参加者は、無償で「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)のライセンスを入手できるようになった。
Linuxでの開発は、昔から敷居が低かった。ディストリビューションをダウンロードし、C言語をいくらか学ぶだけで、いつでも開発を始められる。しかし、RHEL上での開発作業を進める場合、さらに多くのものが必要だった。もちろん、RHELをベースとしたコミュニティープロジェクトによる「Fedora」や、RHELとの完全互換を目指している「CentOS」(いずれも無償)も役に立つのだが、まったく同じというわけにはいかない。
そういった状況のなか、Red Hatは米国時間3月31日、同社のRed Hat Developer Programの一環として、RHELの無償サブスクリプション「Red Hat Enterprise Linux Developer Suite」の提供を開始したと発表した。このサブスクリプションを利用することで開発者は、エンタープライズ向けアプリケーションを開発できる安定した開発プラットフォームを使えるようになる。なお、このサブスクリプションではサポートへの問い合わせや、本番アプリケーションの構築はできない。
また補足だが、Red Hat Developer Programの参加者は「Red Hat JBoss Middleware」ポートフォリオも無償で入手できる。
今回新たに提供されたサブスクリプションにより、クラウドネイティブなアプリケーションおよび/あるいはマイクロサービスを開発している開発者は「Red Hat Container Development Kit」(CDK)にもアクセスできるようになる。CDKは、コンテナ開発向けとしてRed Hatが厳選した、ツールとリソースのコレクションだ。
また、CDKのユーザーは開発目的に限り、「OpenShift Enterprise」の「Red Hat Enterprise Linux Server」とローカルデスクトップのインスタンスにアクセスできる。
RHEL Developer Suiteには以下のものが含まれている。
- 「RHEL 7 Server」
- 開発ツールの長期サポート。RHELの各メジャーリリースには、PythonやPHP、Ruby、OpenJDK 7(1.7)、OpenJDK 8(1.8)といったさまざまな基本ツールが含まれており、それらはOSと同様、10年間にわたってサポートされる。
- 開発ツールの頻繁なアップデート。オープンソース関連のさまざまなプログラミング言語やデータベース、ウェブサーバ、開発ツールが年次ベースで最新の安定版にアップデートされ、「Red Hat Software Collections」や「Red Hat Developer Toolset」として提供される。
Red Hatの広報担当者は米ZDNetに対して、「これ(RHEL Developer Suite)はRed Hatにとって初めてのアプローチだが、2014年のRed Hat JBoss Middlewareポートフォリオでのものとよく似ていると言える。開発者は無償で利用できる。われわれが行ったのは実質的に、開発者に向けた企業向けスタックの開放だ。RHELとJBossが使えるところをスタート地点にすることで、次世代のアプリケーション開発が加速化するとともに、そうしたアプリケーションの配備も加速化するはずだ」と語っている。
RHEL Developer Suiteはこのページからダウンロードできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。