GoogleとRed Hatは米国時間1月21日、Red Hatのコンテナアプリケーションプラットフォーム「OpenShift Dedicated」を「Google Cloud Platform」(GCP)で近いうちに提供すると発表した。
Googleのブログ記事によれば、提供開始時期は「今後数カ月の間」だという。この記事では、「Google Compute Engine」(GCE)がRed Hatの認証環境であることに触れているほか、同社がオープンソースのコンテナクラスタマネージャ「Kubernetes」や、クラウドネイティブのアプリケーション開発を支援する組織であるCloud Native Computing Foundationに取り組んでいることにも言及している。
この記事には、「今回の初期フェーズでは、KubernetesとOpenShiftを使用したコンテナのサポートが改善され、データをより活用できるよう設計された強力なGCPサービスにアクセスできる」と書かれている。
ここで言及されているGoogler Compute Engineのサービスには、ビッグデータ、アナリティクス、ストレージが含まれるという。これらのサービスの1つは、Google Cloud Platformのデータスケーラビリティツールである「Cloud Bigtable」かもしれない。
記事によれば、GoogleとRed Hatがコンテナの利用を始める予定の顧客に話を聞いたところ、その理由は以下のようなものだったという。
- セキュリティの向上
- サービスとエコシステム
- 動的スケジューリング
- ストレージ
- クラウド間ポータビリティとハイブリッドデプロイ
それに加え、このサービスは「『Red Hat Enterprised Linux(RHEL)』を使用したものになる」という。Googleは2014年にRed Hat Cloud Accessプログラムに参加し、同OSをサポートしている。
Kubernetesが重視されていることも、Red HatがKubernetesがスタートした2014年夏から主要なコントリビュータ―として活動していることを考えれば当然と言える。Red Hatは当時、コントリビューションの目標は、オープンなハイブリッドクラウドを推進する製品を支援することだと述べていた。
両社の協力関係はかなり前から続いているが、今回の発表はその関係をより強化するものだ。実際、Red Hatの前最高技術責任者(CTO)であるBrian Stevens氏は、現在Googleでクラウドプラットフォーム担当バイスプレジデントを務めている。
この発表で、Googleはエンタープライズ向けクラウドサービスの分野でいくらかポイントを稼ぐことになる。Google Cloud Platformは、Amazonの「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure」が持っているツールや機能の一部がないことで批判されていた。同社は、企業への普及の面で、この2つのプラットフォームに続く3番手に位置している。
Google Cloud Platform上でのOpenShift Dedicated導入に興味があれば、このページで登録することで詳しい情報が入手できる。価格に関する情報は発表されていない。
3つの要点
- Google Cloud Platformは、Red Hatを利用している企業にとって便利な統合を行ったことで、企業への訴求力が増した。
- Red HatとGoogleの関係は、Red HatによるGoogleのKubernetesへの積極的な投資と、GoogleがRHELなどのRed Hat製品をサポートしていることによって深まっている。
- OpenShiftは当初はAWSでのみ利用できたが、Google Cloud Platformが選択肢に加わったことによって、Red Hatはより幅広い顧客に到達できるようになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。