オンプレミス向けのソフトウェアやハードウェアは、経済が低調な国々のビジネス顧客と、とにかく契約を多く結びたいベンダーの両方にとって魅力的な製品になるかもしれない。
多くのワークロードが世界的にクラウドに移行するという見方に逆行するこの見通しは、Forrester Researchが1月初旬に発表した、2016年のIT支出に関するレポートで示されたものだ。Forresterは2016年のIT支出の伸びについて、4.5%という控えめな予想を出している。成長の伸びが鈍化する最大の理由は、欧州、ブラジル、中国、中東で経済が低迷しているためだ。
Forrester Researchのレポートについて、米ZDNetのSteven Ranger記者が述べているとおり、ソフトウェアとクラウドはIT支出の中心だ。一方、ハードウェアには逆風が吹いている。
では、どんな企業がオンプレミスアプリケーションに支出するというのだろうか。実は、ハードウェアやオンプレミス向けソフトウェアに逆風が吹かない例外があるという。米国では、売上や顧客数の増加につながるクラウドやプロジェクトに企業が群がっている。しかしForrester Researchのレポートでは、経済が減速している地域では、企業は古いスタイルの技術を使い続けることを検討する必要があるとしている。

同社は次のように述べている。
Salesforce、NetSuiteなどをはじめとするビジネステクノロジSaaSベンダーは、依然として顧客の3分の2が米国内におり、国際的なプレゼンスも、英国、オーストラリア、スカンジナビア諸国、あるいはせいぜいオランダ、スイス、ドイツまでに限られている。しかしIBM、Infor、Oracle、SAPや、その他の古くからあるアプリケーションベンダーは、ビジネステクノロジソフトウェア製品のオンプレミス版やホスティング版を提供している。米国ではこれらの製品に対する需要が小さいため、これらのベンダーは大きな値引きをすることが多い。それに加え、カナダや日本、欧州諸国のほとんど、そして多くの発展途上国では、売上を伸ばすことが難しく、営業経費を削減するのに役立つIT技術に、まだかなりの需要がある。これらの地域では、これらのソフトウェア製品のベンダーは、製品を売るために進んで値引きに応じるだろう。