富士通は4月17日、同社が推進するIT基盤のコンセプト「TRIOLE」に基づいたシステムの構築にあたって、自動的に最適なシステム構成を提案する「TRIOLE System Organizer」をパートナーに向けて提供開始すると発表した。
TRIOLE System Organizerは、すでに富士通社内ではシステム提案の自動化ツールとして利用されていた。これを外部にも提供し、新規顧客の獲得や他社からの乗り換えの提案の際、顧客の用件に最適なシステムを容易に提案できるようにする。
システムの基本的なテンプレートは12種だが、構成パターンは信頼性や性能、価格などのシステム用件に基づいて自由に変更できるため、1000パターン以上の組み合わせが可能だ。組み合わせは自動的に生成され、富士通が検証した上で提供される。
富士通 プラットフォームソリューションセンター センター長代理の田中隆一氏は、System Organizerの特長として、「顧客の要求を元に、OSからミドルウェア、サポートを含めたシステム構成を素早く作成し、見積もりを提示できる。また、サービスレベルをチェックして、顧客と安全レベルの合意が取れる」としている。システム構成の中には、富士通製品はもちろん、Oracle製品やCisco Systemsの製品、Symantecのバックアップ製品なども含まれる。
System Organizerの今後の展開としては、BTOでの利用も視野に入れたシステムデリバリの自動化や、既存資産を生かした上でシステムの追加をするなど、次の設計を最適化するための仕組みも提供する予定だ。
富士通では、System Organizerを、国内での展開はもちろん海外での提案に役立てる。国内は、富士通以外にもNECや日立製作所など、数多くの大手ベンダーがシェアを奪い合っており、ベンダーの乗り換えを提案することも困難なためだ。富士通は、4月11日に上海にもシステム検証施設「Platform Solution Center」を開設しており、「今後中国や韓国などでのビジネスに期待している」と、同社 プラットフォームソリューションセンター プロジェクト統括部長の三津濱元一氏は述べた。