「業務」を中心に据えた検索エンジンの導入が成功のカギ--ジャストシステム

柴田克己(編集部) 2006年08月30日 22時32分

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 ジャストシステムの「ConceptBase」は、発売から約10年の歴史を持つ製品だ。文書に含まれる「概念」の類似性を判定する技術を利用した検索エンジンとして、数多くの導入企業を抱え、2006年1月には、最新バージョンとなる「ConceptBase V」も登場している。

 情報共有、知識活用のためのプラットフォームを構築するコアコンポーネントとしての検索エンジンを手がけてきた同社に、企業の競争力を高めるために必要な検索システムの条件を聞くと、「検索エンジンを導入するだけでは競争力は上がらない」との答えが返ってきた。

 これは、企業における「ナレッジマネジメント」をソフトウェアベンダーがいかにサポートできるかというテーマに取り組んできた同社の、経験に基づいた現時点での結論でもある。その真意は、システムにばかり目を奪われ、企業において情報を生み出し、利用する主体である「人」や「組織」、そして「業務」の視点をないがしろにしては、本当の意味でのナレッジマネジメントは実現できないということだ。

 ナレッジマネジメントが注目され始めた1990年代末期において、こうした「システム主導」の考え方をあおったという意味では、ジャストシステムにも少なからず反省すべき点があるという。システム営業推進グループ商品企画・推進の三谷安世氏は、「ConceptBaseも、2002年あたりまでは『とにかく、あらゆる情報を1カ所に集め、そこに検索をかければナレッジマネジメントを実現できる』というメッセージを出していた」と当時の状況を振り返る。

 グループウェアとして多く導入されていた「Lotus Notes」のデータベースを検索できる機能などを盛り込むことで、ConceptBaseはヒットを飛ばしたが、ある時期を境にユーザーに広がり始めた失望感に、同社は対応を迫られることになる。

 「ConceptBaseを導入されたお客様が直面した問題を分析してみると、システム的な問題に加えて人的な問題が大きいことが分かった。これは、製品に関係なく、ナレッジマネジメントにまつわる根本的な問題でもある。それぞれの業務にとって本当に必要な情報が、組織の中のどこにあり、それが正確なものか、必要な人がアクセスできる状態になっているか、といった問題は、単純に検索エンジンを入れることだけで解決できるものではなかった」(三谷氏)

 三谷氏は、企業がこうした問題を認識しつつ、「検索エンジンを入れることで、どういう問題を解決したいか」という意思を明確に持つことが重要だという。その上で、個々の業務プロセスに「ツール」として検索エンジンを組み込むことで、業務に関わる人たちの生産性を上げ、コスト削減やアクティビティの向上を生み出せるとする。

 「ConceptBaseはツールであって、残念ながら、企業の組織的、人的な問題までは踏み込めない。だが、企業で業務を行う人々が必要とする情報を、的確な手段で、的確な場所から取り出すという作業は強力にサポートできる。そのためにユーザーが必要だと感じる機能の追加や、システムの強化を行ってきた」(三谷氏)

 真に有効なナレッジマネジメントを実現するためのツールとして、「使える」検索エンジンとはどのようなものか。長い時間をかけて、ユーザーに鍛えられた成果が、最新版の「ConceptBase V」だと言えそうだ。

ジャストシステム、システム営業推進グループ商品企画・推進の三谷安世氏(左)と、同販売推進の石田かほり氏 ジャストシステム、システム営業推進グループ商品企画・推進の三谷安世氏(左)と、同販売推進の石田かほり氏
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