「これでもItaniumを買いますか?」--日本IBM、POWER6とSystem p新製品を披露

柴田克己(編集部) 2007年05月24日 19時14分

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 日本IBMは5月23日、4.7GHz動作の新プロセッサ「POWER6」を搭載したミッドレンジUNIXサーバ「IBM System pモデル570」を発表した。

 日本IBM、執行役員システム製品事業担当の渡辺朱美氏は発表会の冒頭、1997年にIBM製のスーパーコンピュータ「Deep Blue」が、当時のチェス世界チャンピオンであったGarry Kasparov氏に勝利した「歴史的な一戦」のエピソードを引きつつ、Deep Blueの直系の子孫とも呼べる「System p」の技術の革新性と、高いパフォーマンスを強調した。

 POWER6は、65ナノメートルのプロセスルールによって設計されたIBMの新プロセッサだ。最大で4.7GHzの高速な動作周波数で稼働することにより、前世代のPOWER5(最大動作周波数2.3GHz)と比べて、コアあたりで約2倍の性能向上を実現している。一方で、消費電力についてはPOWER5とほぼ同等に抑えられているという。

 IBM Corporation、システム・アンド・テクノロジー・グループ、システムp担当ゼネラルマネージャーのRoss. A. Mauri氏は、過去5年間におけるUNIXプラットフォーム市場において、唯一IBMだけがシェアを伸ばしているという調査結果に言及。また、POWER6の発表と同時に、主だったベンチマークテストで次々と記録を塗り替えたことを強調し、「UNIXプラットフォームでのIBMに対する市場評価はシェアの推移を見ても明らか。Itaniumは常にPOWERに対して遅れを取っている」として、この市場におけるIBMの優位性を改めて訴えた。

 なお、POWER6は、ベンチマーク値として、「TPC-C」で1616162tpmc(16コアp570、DB2 9)、「SPECInt_rate2006」で242(8コアp570)、「SPECfp_rate2006」で224(8コアp570)、「Java SPECjbb2005」で691975bops(16コアp570)を記録しており、これらはいずれも現時点の世界最速として認定されている。

 日本IBM、システム製品事業理事システムp事業部長の武藤和博氏は、前出のベンチマーク値やエネルギーコスト削減のためのテクノロジーを改めてひきつつ「これでもItaniumを買いますか?」と、その実力に自信を見せる。同氏は併せて、日本におけるSystem pの今後の展開について、「システムの信頼性向上には、テクノロジーからアプリケーションまで、システムレベル全体での最適化が不可欠」とし、パートナー企業との連携およびSIパートナーとの協業の強化を行っていくと述べた。

 具体的に、パートナー企業との連携については、Oracle Grid Centerでのベンチマーク、SAPとのPOWER6新機能対応共同開発、AIX/System p AVE(x86 Linux稼働のための仮想環境)のオープンベータプログラム、ISV向けアプリケーション検証施設の充実などを行う。また、SIパートナー向けの支援策としては、他社機からの移行ビジネスを対象とした評価ボーナスを支給するなどの新規オファリング、米IBM研究所への技術研修招待といったスキルアップサポートなどを行うとしている。

 「IBM System p モデル570」は、3.5/4.2/4.7GHz動作のデュアルコアPOWER6プロセッサ(2-16コア)を搭載し、OSとしてAIX5.2以降、もしくはSUSE Linux Enterprise 10 SP1 for POWERをサポートする。最小構成価格は1228万380円で、6月8日の出荷開始を予定している。

System p モデル570 発表された「POWER6」と「IBM System p モデル570」を囲む、日本IBM、執行役員システム製品事業担当の渡辺朱美氏(左)、IBM Corporation、システム・アンド・テクノロジー・グループ、システムp担当ゼネラルマネージャーのRoss. A. Mauri氏(中央)、日本IBM、システム製品事業理事システムp事業部長の武藤和博氏(右)。
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