顧客の「リアル」を追求したNECのブレードサーバ--特集:ブレードサーバ市場を探る(4)

谷川耕一 2007年05月30日 08時00分

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 「IDC Japanの調査では、国内のx86系サーバ市場でNECは出荷台数、出荷金額共に1996〜2006年までシェアトップとなっている」。こう話すのは、同社 クライアント・サーバ販売推進本部 グループマネージャーの本永実氏だ。このトップシェアが証明する「顧客の評価」を維持し続けるために、NECがプラットフォーム戦略として2006年7月に発表したのが、ITプラットフォームのビジョン「REAL IT PLATFORM」だ。

 本永氏は、「ここでいう『REAL』には、2つの意味がある」と説明する。現実的に顧客が欲するものとしての「現実解」のリアルと、本来こうあるべきだという、将来的に求めるべき「真の姿」としてのリアルだ。「ブレードサーバ『SIGMABLADE』は、NECとしてこの2つのリアルを具現化する製品群だ」(本永氏)

 ブレードサーバのための技術が先にありきで、それをどう製品に展開するかを考えるのではなく、顧客が求めている現実解を具現化していくためにさまざまな機能やラインナップを揃えているという。

限られた規格の中で特長を出す工夫

本永氏 NEC クライアント・サーバ販売推進本部 グループマネージャーの本永実氏

 「NECはPCサーバの中では、今ブレードに注力している。IAサーバという市場においては、サーバそのものの規格は変えられないので、フォームファクターのところでまずは特長を出せるよう工夫することになる」(本永氏)

 顧客ニーズに沿った製品としてNECが2006年に発表したのが、SIGMABLADE-H、SIGMABLADE-Mという2つのブレード収納ユニットだ。このユニットでは最大で、Hには16台、Mには8台のCPUブレードを搭載できる。単に搭載できるサーバ数の違いだけでなく、この2つのユニットはそれぞれはっきりと異なる顧客ターゲットを持っている。

 Hは大規模なシステム統合を想定し、全社レベルでの情報システムの統合をターゲットとしている。これに対してMは、中小規模の統合を想定しており、既存のラックマウントやタワー型のIAサーバ「Express5800」からのレベルアップをターゲットとする。このハイエンドと従来の部門サーバ的なIAサーバの統合利用の双方を、HとMのユニットでカバーするのがSIGMABLADEの特長だ。

 よりハイエンドな部分でブレードサーバに求められるのは、サーバの高性能化だけでなく、I/Oの高速化やストレージおよびネットワークスイッチの統合といった機能が重要になってくる。「SIGMABLADEのバックプレーンの速さは業界トップクラスで、同時に熱を排出する技術はスーパーコンピュータのノウハウなども応用することで高度な技術を提供している」と本永氏。こうしたことから、Hのユニットでは、信頼性を強化しミッションクリティカルな領域での利用に耐えうるブレードサーバとなっている。

 このミッションクリティカルに対応するNEC独自の機能に、フローティングI/Oテクノロジがある。これを利用することで、1CPUブレードあたり6枚までのI/Oカードが構成可能となる。

 「ブレードのI/Oを仮想化することで、複数筐体間でブレードが利用できるようになる。これにより、I/OとCPUの構成をダイナミックに制御でき、筐体間をまたがるリソースの共有が可能となる」(本永氏)

入澤氏 NEC ITプラットフォーム販売推進本部 商品マーケティンググループの入澤智之氏

 NEC ITプラットフォーム販売推進本部 商品マーケティンググループの入澤智之氏は、このI/Oの仮想化の機構がNEC独自の技術であり、現状では他社にないミッションクリティカル向けの機能の実現だと説明する。このダイナミックな構成の管理は、統合管理ツール「Sigma System Center」で効率的に一元管理できるとのことだ。

中小規模企業のニーズにも

 ブレードサーバというと、大規模中心かISPなどの特定のニーズに対応するものというイメージがまだまだ強い。しかし実際には中堅、中小の企業においても、多くのPCサーバがすでに導入されている。そういった中小規模のサーバ統合ニーズでは、例えばラックマウントのサーバと同じように使えるブレードサーバだということが、顧客の選択につながるという。実際に、ラックマウントと同じであることを実現するには、細かい部分での配慮が必要となる。

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