NGNによる固定電話、映像配信、そして新サービスを--NTTのNGN戦略

高田真吾(ライトセブン) 2007年12月11日 10時45分

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 固定電話の加入者数が徐々に減少していく中、NTTは2004年11月の中期経営戦略で、2010年までに当時の固定電話加入者の約半数となる3000万の顧客を光IP電話に移行させ、その後全面的にメタルアクセスと固定電話網を光アクセスとNGNに切り替えようとする意向を発表した。それから3年が経過した現在、NGN化はどの程度進展しているのか。NTTの動きを追う。

 NTTがNGNを目指す背景には、ネットワークのIP化が世界の潮流になっていることもあるが、NGNのプラットフォーム上で認証や課金サービスなどのノントラフィックビジネスを拡大し、収入基盤を再構築しようとする側面が大きい。また、NGNはオールIPネットワークで、サービスの融合における自由度が高く、広帯域で品質やセキュリティも保証されるため、エンドユーザーにもメリットがある。固定電話の加入者数が5000万人を切り、今後さらなる減少が予測される中、同社はユビキタス時代を見据え、NGNと光アクセスを組み合わせたサービスを展開する。安定した固定網と経済効率に優れたIPネットワークのノウハウを融合し、IPベースで品質制御ができるセキュアなネットワークの構築を加速している。

 NTT代表取締役社長の三浦惺氏は11月9日の社長記者会見にて次のように述べている。「光アクセスは、光電話などのサービス提供により、2007年度末で契約者数が約1000万人弱になると見込んでいる。NGNの商用化にあたり、これまでの実績やCATVを含めたブロードバンドの競争状況を踏まえた上で、現実的に需要予測を行った結果、努力目標として2010年度までに光アクセス2000万人となる見込みだ」

NGN商用化に向けて

 NTTのNGN構築への取り組みは、大きく3つの段階を経る。第1の段階は、2006年12月から始まったNGNフィールドトライアルだ。これは、NGNを利用したサービスや端末機器をユーザーに体感してもらい、事業者と技術確認などを行うことを目的としており、情報家電ベンダー10社、コンテンツ・放送事業者4社、キャリアおよびISPが15社参加している。

 第2段階は、2008年3月に東京・大阪の一部で開始するNGNの商用化サービスだ。同年の第2四半期以降には、順次適用範囲を拡大していく。そして第3段階は、固定系ネットワークと移動系ネットワークをシームレスに連動させる。現在、移動系ネットワークは、回線交換方式でデータ通信しているが、NTTドコモの「スーパー3G」が実現すればIPベースで通信することが可能になる。しかし、移動系ネットワークは帯域の確保が難しく、商用サービスとしてスーパー3Gを提供できる時期が明確になっていないため、現段階では両ネットワークをシームレスに連動させたサービスが展開できる時期は未定だ。

 NTTは、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)やCSP(コンテンツサービスプロバイダ)のサーバとNGNをつなぐインタフェースであるSNI(アプリケーションサーバネットワークインタフェース)を2007年10月25日に発表した。これにより、オープンなネットワークで、多彩なアプリケーションサービスをさまざまなプレイヤーと連携して提供していく体制が整ってきた。

 また、NTTは同日、総務省にNGNの商用サービスに関する活用業務申請を行っている。これは、同社の業務内容などを定めた法律である「NTT法」における事業拡大規定を申請するもので、ユニバーサルサービス(国民に対して、公平かつ安定的に提供されるべき通信サービス)に支障を及ぼさないことを条件に、県内通信以外の業務展開が認められる。審査には約4カ月の期間を要し、NTTは2008年3月にNGNの商用サービスを開始する予定だ。

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