ITスキル標準、最新版公開--評価手段として情報処理技術者試験を活用

田中好伸(編集部) 2008年03月31日 19時37分

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 情報処理推進機構(IPA)は3月31日、各種ITサービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標である「ITスキル標準」(IT Skill Standard:ITSS)の新版となるバージョン3(ITSS V3)をウェブサイト上で公開した

 個人のITスキルを客観的に判断するための指標となるITSSは、2002年12月に公開され、前版となるV2が2006年4月に公開され、今回のV3は2年ぶりのバージョンアップとなる。今回公表となったITSS V3は、IPAのITスキル標準センターと産学の有識者から構成される「ITスキル標準改訂委員会」が、各団体からの改善提案や報告書に対応することを目的に、2007年10月に公表となった改訂方針に基づいた改訂となる。

 今回のポイントは主に(1)レベル1、2の職種を共通化、(3)レベル評価手段として情報処理技術者試験の活用、(3)専門分野の変更――の3点になる。

 (1)では、レベル1と2でセールスやITスペシャリスト、ソフトウェアデベロップメントなどの職種区分をなくし、各専門分野の基礎知識を共通化し、指標を統一している。

キャリアフレームワーク ITSS V3のキャリアフレームワーク
※クリックすると大きく表示されます

 (2)では、客観的な人材評価メカニズムを構築できるようにするため、ITSSのレベル1〜3の評価手段として、情報処理技術者試験との対応付けを行っている。このことについてIPAでは、「試験はそれぞれのレベルの必要最低限のものを示すが、あくまでも判定のツールであって、試験合格が目的とならないように採用してほしい」と説明する。

ITSSに対応する情報処理技術者試験の人材像
レベル対応する情報処理技術者試験人材像(業務と役割)
レベル3応用情報技術者試験(AP)基本戦略立案またはITソリューション・製品・サービスを実現する業務に従事し、独力で役割を果たす
レベル2基本情報技術者試験(FE)基本戦略立案またはITソリューション・製品・サービスを実現する業務に従事し、上位者の指導の下に、役割を果たす
レベル1ITパスポート試験(IP)職業人として備えておくべき、情報技術に関する共通的な基礎知識を習得した者であり、担当する業務に対して情報技術を活用し、活動を行う

(3)では、コンサルタントとITスペシャリストで専門分野を再構成するとともに、アプリケーションスペシャリストの専門分野である「業務パッケージ」で内容を変更している。

 コンサルタントでは、専門分野のBTとITを見直し、「インダストリ」と「ビジネスファンクション」に再構成している。インダストリは、顧客マネジメントとサプライチェーンマネジメント、業種特定サービス/業務/制度など産業ごとにユニークな業務領域を支援することを目的にしている。これとは別に会計や人事、設備管理など業種を問わない業務領域を支援するのがビジネスファンクションになる。ITスペシャリストでは、「分散コンピューティング」を廃止する代わりに、「アプリケーション共通基盤」を新設している。

定義イメージ 専門分野の定義イメージ
※クリックすると大きく表示されます

 今回のITSS V3は、職種、専門分野(レベル4)と高度試験区分との対応付けなど、さらに内容が改訂された「ITSS V3 2008」が公開予定となっている。

 IPAでは、ITSSについて「中小企業ではまだ2割だが、大企業の6割が活用している。加えて中小企業を含めた企業全体で活用を検討している段階にある」と、その普及が進んでいると説明している。

 ユーザー企業向けITSSである「情報システムユーザースキル標準」(User's Information Systems Skill Standards:UISS)の新版となるISS Ver.1.2も同日公表されている

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