「企業の印刷コストはIT投資より多い」--印刷コスト削減に挑むHPのプリンティング戦略

藤本京子(編集部) 2008年04月22日 16時33分

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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月22日、企業向けプリンティング事業の戦略発表会を開催した。同社では、コンシューマーやスモールビジネス向けのボリュームビジネス領域に加え、2007年より大企業および商用印刷分野をターゲットとしたバリュービジネス領域も強化しており、同日にはバリュービジネス領域に向けた製品群も同時に発表している。

 日本HP 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括の挽野元氏は、「プリンティングもITインフラになる」と強調する。同氏は、多くの企業でプリンタがネットワークにつながっているにもかかわらず、IT部門で管理されていないケースが多く、印刷された文書がそのままプリンタに放置されて情報漏えいにつながるなどの課題を指摘、HPのプリンティング事業戦略としてこうした課題を解決するとした。「今後はプリンタが印刷環境を管理し、簡素化し、ワークフローの改善につながる役目を果たすことになる」と挽野氏は話す。

 HPによると、企業が印刷物にかけるコストは売上総額の約2〜6%にものぼり、企業のIT投資の平均的な数字である売上総額の1〜3%を大幅に上回っている。しかし、日本HP イメージング・プリンティング事業統括 エンタープライズビジネス本部 本部長の石川則夫氏は、「しっかり管理すれば印刷コストは大幅に削減できる」と話す。HPではすでに、オフィスの印刷環境を見直し、プリンタの台数を適切にするなどの最適化を図る「Managed Print Service」を開始しており、この1年で同サービスを利用した15社では1人あたり年間約5000枚から1万枚の印刷物削減に成功したという。

 プリンティング環境を最適化するための具体策として石川氏は、プリンタの最適配置や両面印刷、カラー印刷の制御、セキュリティポリシーの設定などを挙げており、こうしたポリシーを設定した上で集中管理することが重要だとしている。

 このように、ITインフラとしてのプリンティング環境を実現するには、ハードウェアだけでなくソフトウェアの力が必要だ。同社が同日発表した製品群の中に、3つのソフトウェア製品が含まれているのもそのためだ。「HP Web Jetadmin 10.0」は、プリンティング環境をウェブ上から集中管理できるソフトウェアで、「HP Managed Print Administration 2.5」は、プリンティングポリシーの設定ができるソフトウェアだ。また、HPのプリンタ全機種共通のドライバとして「HP Universal Print Driver 4.5」も発表している。石川氏によると、HPのプリンティング事業の研究開発費においても、現在ではソフトウェアへの投資がハードウェアを上回っているという。

 HPでは、2007年よりワールドワイドで自社のデータセンター統合とオフィスプリンティング移行プロジェクトを実施しており、プリンタの台数を6万台以上から1万台以下に、機種数を約100機種から10機種未満に、プリントサーバを250台以上から0台に削減するとしている。2009年中にはプロジェクトを終える予定で、「現在約4割が実施済み」と石川氏。

 石川氏は、「ITインフラ企業として培ったHPのテクノロジやサービス、ソリューションの実績と経験をベースに、プリンティング環境における最適配置と集中管理を実現する」と述べる。こうした戦略の下、日本HPでは2007年から2010年までの3年間で、プリンティング事業の売上を倍増させることを目標としている。

挽野氏 同日発表されたプリンタ製品の前に立つ日本HPの挽野元氏
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