「ばかうけ」の味を支えるWindows Server 2008--「Hyper-V」で2割のアクセス性能向上も - (page 2)

萩原弘明

2008-05-20 16:39

直感的な操作と一元管理はコスト削減の必要条件

 Windows Server 2008のその他の機能のうち武田氏が高く評価しているのは「グループポリシー」と「サーバマネージャ」である。それぞれ、ユーザー管理、サーバ管理を容易にするためのインターフェースである。

「グループポリシーについては、プリンタの割り当てやフォルダのリダイレクト制限などに利用しているのですが、それらの管理に、人手をかけずに済むようになりました」と武田氏は言う。アクセスできるデータが制限されるエンドユーザーの一部からは不満も出たというが、こうしたユーザーには会社としてのセキュリティポリシーを話し、納得してもらった。

 このグループポリシー機能と近いものに「移動ユーザプロファイル」機能がある。この機能はユーザーごとのデスクトップ構成、アプリケーションの設定から壁紙まで、サーバ側で管理するものだ。ユーザーはネットワーク内のどのクライアントからログインしても、即座に使い慣れた自分の環境で作業ができる。武田氏は、今後この機能も積極的に取り入れたいと語る。

 一方のサーバマネージャに関しては、サーバ管理に当たって必要と思われる項目が最初からほとんど用意されている点を高く評価する。「直感的に操作でき、一元管理が可能であることは、運用コストを低減するための条件」ということだ。同じ理由から、これまでの環境では一部にのみ利用していたActiveDirectoryによるリソース管理も、2008からは全面的に利用し、さらに運用にかかる人手とコストの削減を目指すという。

ITにかけられるコストが少ないからこその選択

 栗山米菓では、ITシステムの導入にあたって運用コストの削減を徹底的に重視してきた。武田氏は「当社のように従業員700人規模の企業では、ITに多額のコストをかけられません。こうした企業にとってはWindows Serverがトータルコストの面で最適だろうという実感を得ています。実際、当社でもLinuxを検討したのですが、運用や管理の容易さ、トータルでのコストを考慮するとWindowsという結論に至っています。セキュリティ面での問題も、現在では大きく改善されていると思いますし」と、その経緯を語る。

 武田氏は、自社の事例を基に、グループ内のIT企業であるアイシーエグゼと組んで、情報システムの外販体制を整えていこうと計画している。

 「より小規模な企業ではITの必要性が分からない、あるいは必要性は分かってもどうしたらよいかが分からないという所がたくさんあります。こうした企業に対して、ITの必要性や構築のノウハウを浸透させたい」(武田氏)

プロフィール
社名 株式会社栗山米菓
URL http://www.baka.ne.jp/
本社所在地 新潟県新潟市
資本金 8677万8000円
代表取締役社長 栗山敏昭
事業内容 米菓製造業
導入前の問題 仮想化ソフトの利用にかかっていたライセンス更新コストの負担増
導入した製品 Microsoft Windows Server 2008(先行評価)
導入結果 OS標準搭載の機能でライセンスコストの削減に成功
社内テストでアクセスパフォーマンスの20%近い向上を確認
kuriyama-f 栗山米菓の工場外観。グループ内にはIT企業もあり、今後、自社をモデルに、中堅中小企業向け情報システムの外販体制も整えていきたいという。

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