イントラネットにTwitter:企業のための17のマイクロブログツール - (page 4)

文:Dion Hinchcliffe 翻訳校正:石橋啓一郎

2009-06-19 08:00

  1. HeadMixはソーシャルビジネスソフトウェア、特にマイクログの概念について、他のものとは若干異なる考え方を取っている。Best Buyなどの大企業で利用されているHeadMixは、Outlookなどの既存のコミュニケーションの流れを使った従業員間のメッセージングに特化している。
  2. WordPressのPrologue 2は、本質的にはマイクロブログではない。むしろ、有名で評判も高いブログプラットフォームであるWordPressを、マイクロブログのモデルで作り替えたものだ。WordPress自体は、洗練されたブログコミュニティのために設計された豊富な機能を持つ、非常に優秀な企業向けブログツールで、現在5000以上のプラグインが提供されている。Prologue 2はそれ単体では機能の少ないマイクロブログツールだが、すでにWordPressを使っているのであれば、もっとも簡単に使えるツールの1つになるだろう。
  3. OpenMicroBloggerは、オープンソースで無料のマイクロブログアプリケーションで、イントラネットおよびエクストラネットで利用するために設計されている。OpenMicroBloggerが提供する機能は豊富で、グループをサポートする堅牢なセキュリティモデル、マルチレベルアクセス、TwitterやIdenti.caなどの他のサービスへの同時発信、アプリケーションを入手できるOpenAppStoreなどがサポートされている。ID管理のためには、OpenIDがサポートされており、ファイアウォールの内側でホスティングすることもできる。
  4. Lotus Sametime Advancedは、このリストに入ってはいるが、技術的に言えばマイクロブログツールではなく、むしろ強力な企業クラスのソーシャルコラボレーションおよび統一コミュニケーションプラットフォームというべきものだ。シングルサインオン機能、ポータルのサポート、SharePointとの統合など、企業向けの機能を多く持っているほか、上位バージョンのSameTimeには、マイクロブログの機能に非常に似た、永続的に維持されるグループチャットの機能があり、グループや複数チャンネルを扱う機能もある。ほとんどのマイクロブログは、消費者向けのアプリケーションに企業向けの機能を追加したものだが、SameTimeは逆側からアプローチしており、本物のマイクロブログと見分けの付かない機能に、IBMの定評あるビジネス手腕が振るわれている。主としてIBM製品を使っている企業にとっては、少なくとも正式にマイクロブログがサポートされるConnections 3.5がリリースされるまでは、SameTimeがもっとも現実的なソリューションかもしれない。
  5. Co-opはソーシャルメッセージングを業務に組み込みたいと考えている同僚たちのために設計された、ホスティング型サービスだ。業務時間管理機能と予定の共有機能を組み込んだCo-opは、ビジネスの文脈でマイクロブログを使った共同作業について真剣に考えた、ユニークな形のビジネス向けマイクロブログだ。
  6. Yonklyは、社内でのマイクロブログのためのものではなく、主として企業がソーシャルメッセージングによる顧客とのつながりを作るために設計されたものだ。Yonklyは公開、非公開のどちらの使い方もでき、Twitterやその他のサービスを含む多くのサービスと深いレベルで統合することができる。
  7. 多くの読者は、このリストにMicrosoft Office SharePoint(MOSS)が登場することは予想していなかったかもしれないが、私が以前書いたSharePointを使ったEnterprise 2.0の記事でも説明したように、MOSSはほとんどあらゆる中規模から大規模の企業が持っている、疑似Web 2.0ツールの1つだ。MOSSにはマイクロブログが組み込まれているかと言えば、必ずしもそうではない。MOSSは企業が使いやすいもので、この記事で説明した企業が求める要素を全て満たしているかと言えば、これはイエスで、その面ではこのリストの他のどのツールよりも優秀だと言えるだろう。では、足りないものは何だろうか。1つには、SharePointの他の要素と同じように、必要なことをするためには大変な説得(大量のカスタマイズ作業と設定作業)が必要だということだ。この場合、マイクロブログの動作をさせるための設定を行う必要がある。その方法について知りたければ、Michael Gannotti氏が書いた詳しい記事を読むのが一番いいだろう。残念ながら、SharePointに他の多くのWeb 2.0的なことをやらせようとする場合と同じように、結局はあまり満足できないものにしかならない。しかし多くの企業にとっては、MOSSを使うことは、できるだけ多くの要件を満たすための一番の近道だろう。うまくいけば、Microsoft製品を主に利用している企業に向けて、Microsoftがまもなく独自のマイクロブログサービスを提供するはずだ。

 以上が、現在の企業向けマイクロブログアプリケーションのリストだ。ただし、おそらくこれはまだ完璧なものではなく、必要に応じて更新や修正を行うつもりだ。しかし、これは企業におけるソーシャルメッセージングの現状を把握しようとする人にとっては、よいスタート地点になるはずだ。

 別の記事「Ten leading platforms for creating online communities」も併せて参照して欲しい。

 最後に、多くの組織はまだEnterprise 2.0の計画を実現しようとしている過程にある段階だが、今が次世代IT戦略としてマイクロブログを統合することを検討すべき時期だ。ビジネス向けマイクロブログのツール市場はまだ未成熟であり、どの製品が優勢になるかはまったくわからない状態ではあるが、現代の労働者にとって、ソーシャルツールが望ましいコミュニケーションのモードであるということを示す兆候が強く現れている(私の記事「The year of the shift to Enterprise 2.0」を読んでみて欲しい)。あらゆる組織は、利用できる選択肢について検討し、自らの2.0化計画の中にマイクロブログを組み入れるか、組み入れるとすれば、いつどのように位置づけるかを考えるべき時に来ている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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