イントラネットにTwitter:企業のための17のマイクロブログツール - (page 3)

文:Dion Hinchcliffe 翻訳校正:石橋啓一郎

2009-06-19 08:00

  1. SocialText Signalsは、より大きなEnterprise 2.0スイートの一部で、Twitterの持つ機能の堅牢なバージョンを提供し、ブログ、wiki、デスクトップ、ダッシュボードなどを含むSocialTextの他の機能と連携して動作する。特筆すべきは、SocialTextはActive DirectoryとLDAPをサポートしており、人気のあるECM兼コミュニケーションツールである、Microsoft SharePointおよびLotus Connectionsとのコネクターも持っているということだ。SocialTextは、専用サーバを使ってサービスを社内に配置する選択肢を提供している。
  2. SocialCastはインターネット上にホスティングされた(つまり、SocialCastの持つサーバ上で動かす必要のある)企業向けのマイクロブログツールだ。このツールは、ユーザープロフィールをコントロールする機能、活動の流れを記録する機能、会社の集団的知性から直接知識を引き出すために職場全体に質問を投げかける機能を備えている。また、ソーシャルメッセージを企業内だけに留めておくことができるほか、SocialCastが提供している社会分析を行うためのダッシュボードは優秀なものの1つでもある。SocialCastが企業で利用されるID管理技術の標準をサポートしているか、エンタープライズポータルやECMなどと相互運用できるかについては不明だ。
  3. CubeTreeは比較的新しいマイクロブログサービスであり、構造化ソーシャルメッセージを扱うことができ(Twitterクライアントとは異なり、企業活動で使いやすいリプライの木構造を扱うことができる)、質問などの異なるメッセージタイプを扱うこともでき、ソーシャルメッセージングによる過負荷を防ぐための、通知に関する管理を行うこともできる。また、(他のサイトの活動情報を集約することのできる消費者向けマイクロブログプラットフォームである)Friendfeedのように、ユーザーの活動を集約することもできる。集約できるユーザーの活動情報は限られたものだが、WebExやSalesforceなど扱えるサービスの幅は広がりつつある。
  4. Yammerは現在もっとも人気のある企業向けマイクロブログツールの1つであり、2008年のTechCrunch50の1位を飾って素晴らしいスタートを切った。最近では、Yammerは企業利用の観点からはますます洗練され、ポリシーに基づく管理、アカウントの一括管理、ディレクトリの統合などの機能のほか、キーワード監視などによって、従業員の発言がソーシャルメディアガイドラインに違反していないかを調べる運営ツールまで備えている。Yammerにはデスクトップクライアントのほかに、iPhoneアプリケーションもあり、マイクロブログツールの中では見た目も機能もよいものの1つだ。
  5. Communoteは、プロフェッショナル向けマイクロブログサービスと銘打たれており、単純なマイクロブログ機能に加え、ブログ機能とファイル管理機能を提供するホスティング型ツールだ。公開型のマイクロブログも、非公開型のマイクロブログも扱うことができる。
  6. ESMEは、ビジネスマイクロブログ分野の興味深い実験であると同時に、公式なApacheのインキュベータプロジェクトだ。つまり、これはオープンソースプロジェクトであるということだ。ESMEプロジェクトは、「安全で規模性が非常に高いマイクロブロギングおよびマイクロメッセージングプラットフォームであり、ビジネスプロセスの文脈において、人々が互いを発見して会うことを可能にし、他の情報源からの管理されたアクセスを可能にするもの」だと説明されている。ESMEは、企業のシングルサインオンシステムにも利用できるOpenIDをサポートしている。クライアントには、ウェブ版だけでなくAdobe AIR版も用意されている。詳細については、Oliver Mark氏が書いたZDNetの素晴らしい記事を参照して欲しい。
  7. Laconicaは、無料でオープンソースのマイクロブログプラットフォームで、Identi.caサービスの背後にあるインフラでも使われている。Laconicaは、ビジネス向けマイクロブログとして2つの強みを持っている。第1の強みは社内で簡単にインストールできるということであり、第2の強みはオープンなプラグインアーキテクチャを持っており、原理的に言えば、どんなも必要な機能でも、開発するか入手することができるということだ。
  8. IDidWorkは、従業員が作業記録を残すという考え方をサービスの中心に据えた、興味深いマイクロブログサービスだ。マネージャは作業記録を点検することができ、従業員は自分がチームにどのように貢献したかを知ることができ(そして証明することができ)、さらにマネージャが自分の管理に費やした時間を記録したり、このサービスを使って部下を指導することもできる。IDidWorkはホスティング型のサービスで、このリストにある他の多くのホスティング型サービスと同様に、企業インフラに関する要件よりも中心となる機能に焦点を当てている。
  9. OraTweetは、その名前やブランドにもかかわらず、実際にはOracleの公式な製品ではないが、Oracleの製品に期待されるような企業向けの機能を多く備えている。OraTweetは無料でダウンロード可能なアプリケーションで、シングルサインオン、グループ、他のコミュニケーションツールとの統合の機能のほか、OraTweetが開発された環境であるAPEXの関連する機能もサポートされている。
  10. Present.lyはもう1つの主導的なビジネス向けマイクロブログツールで、多くの企業向けのコミュニケーション機能を持っている。特筆すべきは、Present.lyはアドホックに作られたグループと構造化されたグループの両方をサポートしているほか、過去に集められた集団的知識に基づく質問応答システム、Twitter互換のAPI、モバイルクライアントなどを提供しているということだ。Present.lyは現在、社外でのホスティングサービスに力を入れているが、ケースによっては社内への設置も行っている。

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