IIJが海外展開を加速、新VPNサービス提供へ--機器調達から運用までをカバー

冨田秀継 (編集部)

2011-10-14 18:08

 インターネットイニシアティブ(IIJ)が海外戦略を加速させる。IIJは10月14日、同社グループの海外展開に関する記者会見を開き、IIJグローバルソリューションズが国際インターネットVPNサービス「Net de! World」を提供すると発表した。

 Net de! Worldは、世界200カ国以上で利用できるマネージド型インターネットVPNサービスで、同日より提供を開始する。あわせて、中国に子会社を、タイに駐在員事務所を開設することも発表している。

 記者会見に出席したIIJ代表取締役社長兼CEOの鈴木幸一氏は、クラウドコンピューティングに代表されるように、インターネットの使われ方が変化してきていることを指摘しつつ、IIJグループの海外戦略を説明した。

鈴木幸一氏
鈴木幸一氏

 「最も大きな背景は、日本の製造業がどんどん海外に出ていっていることだ。従来でいえば中国であったのが、たとえばバンコク周辺、最近ではインドネシア、将来はミャンマー(ビルマ)と、アジア全域に渡って広がってきている。そこで、インターネットを使うさまざまなサービスに対してリクワイヤメント(要望)が増えてきている。従来から中国やアメリカでさまざまなサービスを提供しているが、今後はもうちょっとステップアップした違うフェーズに行かなければ」(鈴木)

 同社ではこうした変化を踏まえ、取り組みをアジアからグローバルへと展開する考えだ。

 「日本(企業)がインターネットを使ったサービスで−−たとえば世界的にも利用されているゲームの世界に対して、各国でIIJが(同じ品質のネットワークサービスを)提供するようにしなければいけない。そういうことを含めて、10年以上振りにアジアや海外の戦略について話せるような段階にきた」(鈴木氏)

 今回提供が発表された国際インターネットVPNサービス「Net de! World」では、世界200カ国以上をカバーし、各国に拠点を持つ企業のネットワーク構築をサポートする。具体的には、回線や機器の調達から、オンサイトでの導入、運用保守までをフルマネージドサービスとして提供する。

 また、24時間365日の監視サービスや障害時のオンサイト保守サービスも提供するほか、日本語、英語、中国語によるマルチリンガルヘルプデスクを用意して各国からの問い合わせに対応する。なお、マルチリンガルヘルプデスクは、IT部門だけを対象とせず、エンドユーザー向けの機能も提供する。

 このサービスの特徴は、どの拠点であってもIIJが提供する品質と安全性を持ったネットワークサービスを利用できる点にある。

 IIJグローバルソリューションズ代表取締役社長の岩澤利典氏は、「回線だけを提供してほしいという顧客は少なくなっており、ネットワークにセキュリティを載せてほしいとか、現地のデータセンターを使わせてほしいとか、ソリューションとして使わせてほしいというニーズがある。現地のSIerを含め、全体をコーディネートしたソリューションとして提供していく」と意気込みを見せた。

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